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ヴィリニュス大学 留学回顧録

自己紹介

 こんにちは。2023年夏までヴィリニュス大学(VU)に交換留学していたMiglėと申します。クリエーターネームはリトアニアの友人からとりましたが、私は日本人です。

とにかく情報が少ない…リトアニア留学


 「リトアニア…それってどこ?」

 リトアニアに留学するよと報告すると、周りから返ってくる反応はまずこれだと思います。少しリトアニアを知っている人であっても、杉原千畝を知っているか、昨今のヨーロッパ情勢を心配する声もあるでしょう。  

 「リトアニア 留学」「ヴィリニュス 留学」で検索された方々は、リトアニアが留学先としてどれだけ魅力的かは既にご存じだと思います。
 しかし、残念ながらリトアニア留学はまだ留学先としてメジャーではないため、ヴィリニュス大学の留学の事前準備の面で情報が少なく不安を感じている方も多いと思います。
 そこで、既にヴィリニュス留学に向けて準備を取り組んでいる方々のために、ヴィリニュス大学での思い出を振り返りながら、情報を提供できればいいなと考えています。当時と現在とで変わっているところもあると思いますので、随時新しい情報を手に入れていただきたいですが、当記事が少しでも皆様の参考になると嬉しいです。なお、今回の記事はVUに限った話になります。ご了承ください。VDUの人にも被る部分もあるかもしれませんが。

 リトアニア留学といえばヴィータウタス・マグヌス大学(VDU)かヴィリニュス大学(VU)のどちらかだと思います。VDUはアジア学研究所(Azijos Studijų centras)を持ち、毎年日本語スピーチコンテストを開催しています。今X(旧Twitter)で話題のジーカス駐日大使もここで教鞭をとっていたそうです。
 一方で、私が留学していたヴィリニュス大学はリトアニアで最古の大学で、1579年に創立されました(日本では織田信長が活躍していた時代ですね)。今でも歴史的な建造物を残しており、観光地としても人気があります。


ヴィリニュス大学の「白のホール」

 VUは高い研究力、グローバルネットワークを評価されており、様々なランキングでリトアニア国内のトップ大学に君臨しつづけています。

留学前に準備しておくべきもの

アパートの予約(一部の方)
 ほとんどの日本人はSaulėtokio寮が与えられると思いますが、寮は古く、掃除が行き届かない部分もあります。共用のフロアも多くルームメイトとの協力は必要不可欠です。きれい好きの方や男女混合フロアが気になる方はアパートを予約することをおすすめします。


寝泊まりに必要なものほぼ全般

 寮は本当に何もありません。あるのはベッド、マットレス、枕、机と椅子、簡易的な棚、ルームメイトと共用のクローゼットくらいです。
 寮についた初日は24時間のフライトで疲れていると思いますので、普通の留学セットに加えて下の二つを持って行くことをおすすめします。

通信手段(寮のWifiは有料)
 →寮のWifiは有料です。日本でWifiを持って行くのもよいですが、現地のスーパーマーケットで"Ežys"という格安SIMを手に入れることもできます。

シーツと布団カバー、枕カバー
 →借りることもできるそうです。管理人のオフィスアワーは短く、初日は疲れているので、持って行くほうがよいと思います。

デスクランプ
給湯器
電気ケトル
カラトリー
鍋をはじめとした調理用品
ライター

…など用意しなければならないものは多いですが、この辺は後日購入していけばなんとかなります。


Trafiのアプリ

 
 リトアニアでの主な交通手段はトローリーバスかバスになります。乗車区間によって運賃が変わる日本のJRと異なり、リトアニアのバスはある程度の期間(1日~3ヶ月)ヴィリニュス市内を自由に回れるチケットを購入することになります。チケットはスマートフォンのアプリから購入します。アプリは日本からでもダウンロードできます。なおチケットは学割が効きます。



LSIC(学生証)


 リトアニアでは、各々の大学が学生証を発行するのではなく、別の機関によってLSIC(Lithuanian Student Identity Card)というものが発行されます。LSICの発行手続きは大学がやってくれるのではなく、自分でおこなければなりません。先述のTraffiの学割チケット購入にはLSICが必要です。日本から手続きができますので、留学が決まったら早めに手続きしておくことをおすすめします。


(ほんの少しの)リトアニア語の知識


 リトアニアではほとんどの若い人は英語を話せますが、こんにちは(Laba diena)、ありがとう(Ačiū)、ごめんなさい(Atsiprašiau)は言えたほうがいいです。特に、ごめんなさい(Atsiprašiau)は日本語の「ごめんなさい」同様に人とぶつかったときにも使えるので、便利です。リトアニア語が話せるに超したことはないですが、現地で本格的にリトアニア語の勉強を始めても大丈夫です。
 VUでのリトアニア語の授業のテキストは無料ですし、仲間と勉強するほうが圧倒的に楽しいと思います。



歴史の知識


 歴史のタブーに触れることはあってはなりません。歴史書は一冊でも読んでおくと、リトアニアに敬意を払うことができると思います。一様に「バルト」といっても歴史はかなり異なるので、本を選ぶ際は、なるべくリトアニア史のみについて触れているものをおすすめします。歴史を学んでおくことで、現地での旅行先の候補も格段に広がりますし、「あ!ここ教科書で出てきたところだ!」とテンションもあがります。
 
私が読んだ本はこちらです。
Eidintas, A., Bumblauskas, A., Kulakauskas, A. & Tamoaitis, M.(2012)
'Lietuvos Istoja' /梶 さやか、重松 尚訳(2018)『リトアニアの歴史』明石書店.



まとめ

本記事が少しでも皆様の留学準備をお手伝いできていたなら幸いです。リトアニアでの経験が皆様にとってかけがえのないものになりますように。


ヴィリニュスのパノラマ

日本語が堪能なリトアニア人のVU医学部生のノートです。リトアニアでの生活のリアルタイムな情報についてはこちらの記事をおすすめします。