幸せになれないミニマリスト
「あなたはミニマリストですね」と言われると、つい「きっと違う」と言いたくなる。なぜなら、「私は○○である」と自己主張することや、限定された枠に収まることを拒みたくなるから。
そもそも私は、日々の生活の中で感じる鬱陶しさから自由でありたいと思う。その思いが、私の生き方の根底にある。
自由になりたければホームレスになればいい。彼らは究極の自由だ。と小さい頃親が言っていた。
自尊心を傷つけられながらも、なおも人前に出てくることで人から煙たがられ、住む場所を持たないことで警察から段ボールの壁さえも撤去され、空調の利いた部屋で寝ることも、顔を洗うことさえもせず、人から恵んでもらうことを当たり前としながら、ゴミの中から食料を漁る。それが彼らにとっては自由なのかと思った。
物を買うことで、幸せになれる人たちがいる。きれいな洋服、ブランドのバッグや靴、私は他の人のように、モノで心を満たすということが出来なかった。心を満たすこと、私にはこのことが、モノを買うことよりずっと重要だった。心を満たすのに、近くのスーパーで売っている、68円のシュークリームで十分だった。
私はホームレスより自由ではないし、高価なバッグを買う余裕もないけれど、少ないもので満足ができるというという意味で、私はそれで幸せかもしれないということ。