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球団ヒストリー10.避けては通れない問題

クラブチームにおいて大きな壁になるのは、運営にかかるお金の問題だという。部員から徴収する部費だけでは、とても賄えない額の費用が必要なのだ。

ちなみに「スポーツビジネスの4大収入」となりうるのはこれら。
・スポンサー収入
・テレビ等放映権
・グッズ販売
・チケット販売

鹿児島ホワイトウェーブについては…
連盟主催の大会である以上、チケット販売はない。
テレビに関しては放映権どころか「出させてくださいとお願いする立場」。
グッズは相当な人気がなければ作っても売れないし、そもそも作ることにも資金が必要。

ホワイトウェーブが望めるのは、この中でスポンサー収入だけだった。

欽ちゃん球団とのイベントで多少の認知度があったとはいえ、まだ実績のないチーム。
当時、会社経営と球団運営をほぼ一人で賄っていた國本代表は、この生まれたばかりのチームを応援してくれる法人個人を、コツコツと足を使って募った。

また同時に現実問題として、応援者がせっかく出してくださった運営費をできる限り効率よく集め、そしてそれがながく続けられる仕組みを考えに考えた。

思いついたのはホワイトウェーブのクレジットカードを作ること。
応援してくださる方にカードを持っていただき、そこから後援会費をいただくというシステムだった。

無名チームの当てのない提案。「球団運営のキモになる企画だと思っていたから」、数社に断られながらも諦めることはなかった。そんな中、地域密着型のカードを手掛けるシティックスカード福岡本社の永田さんはしっかりと話を聞いてくださった。

「前例がなかったはずなのに、こちらの条件をほぼ呑んでくれたんだよね」。
この『条件』、少しお聞きしたが、今私が聞いても、カード会社のほうを心配してしまうようなもの。よく受け入れてくださったものだ。
「永田さんじゃなきゃできなかったよね」。感謝しかない、と國本代表は語る。

何度も何度も代表と話をしたという永田さんは、こう語ってくださった。
「鹿児島の高校野球熱はすごくて、甲子園で地元チームが対戦する日は商店街にお客さんが来ないというのを目の当たりにしました。
それなのに、卒業後の受け皿がない。学生野球を卒業したそんな選手たちの受け皿としても、このチームを続けたい。そういう國本さんの想いはひしひしと伝わってきました。その想いは当時からブレてないですよ」

とはいえ最初は「大丈夫かな?とも思った」そうだが、2007年、JCB機能付きの「鹿児島ホワイトウェーブ応援カード」がスタートした。

代表の熱い想いに賛同した当初のスポンサー企業は2社。
また同時期に後援会が発足し、毎月は無理だけれども年に一度ならばと手を挙げてくださる法人個人もいらした。

後援会の会員証として、現在も続くこのカード。
とにかく人手も資金も足りない。
それでもホワイトウェーブを戦えるチームに、強いチームにしていきたい。
そんな想いが実ったシステムなんだろうな。


こうして、(かなりどんぶり勘定で)「これくらいあれば足りるかな?」という額のスポンサー収入が、スタート時の懐事情である。

夢を追うためには必要不可欠なものであり、クラブチーム最大の壁ともいえる、お金の問題。
これはホワイトウエーブの前にも、高く大きく立ちはだかっていた。



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