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お客様に「ワオ」を。リッツ・カールトンのワオストーリー。
その物語は、ある男性が、女性にプロポーズしようと思ったことから始まりました。
アメリカ・フロリダ州にあるザ・リッツ・カールトン・ネイプルズでの出来事です。
ビーチ係が、砂浜に並んだビーチチェアを片づけていました。
そこにひとりの男性のお客様がやってきて、こう告げました。
「今夜、この浜辺で恋人にプロポーズしたいんだ。
できれば、ビーチチェアをひとつ残しておいてくれないか」
時間が来たら椅子を片付けるのが彼の仕事でしたが、そのスタッフは「喜んで」と言ってにっこりと笑い、ビーチチェアをひとつだけ残しておきました。
彼は椅子のほかにビーチテーブルもひとつ残しておいたのです。
そして、テーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷き、お花とシャンパンを飾りました。
またプロポーズの際に男性の膝が砂で汚れないように、椅子の前にタオルを畳んで敷いたのです。
さらに彼は、レストランの従業員に頼んでタキシードを借り、Tシャツに短パンといういつものユニフォームから手早く着替えました。
手には白いクロスをかけ、準備を整えてカップルが来るのを待っていました。
お客様が言葉にされた要望は、ビーチチェアをひとつ残しておくことだけだったにもかかわらず、です。
リッツカールトンホテルのサービスは有名ですね。
リッツ・カールトンでは、このようなサービスをするために、または顧客とのトラブルを収拾するために、各スタッフに最高2000ドルの特別決裁権が与えられているそうですね。
ここまで、権限を与えられていたら、スタッフもやりがいがありますね。
わずかな金額で、10個以上ハンコがいるようなところでは、到底無理な話ですね。
大胆な、
エンパワーメント(権限移譲)
が、公的機関も企業も、団体も必要だと思います。
もっと現場を信用することですね。
現場は、上が考えているより賢いです。