戦争は味方が苦しい時は敵も苦しい。
戦争を美化するつもりはない。
しかし、文字通り命を懸けて戦った人たちの言葉には重みがある。
命が保障されて、投げ出すつもりもないのに「命がけ」を連発する人と、言葉の重みが違う。
阿南惟幾、最後の陸軍大臣。
1945年8月14日、責任を取って自決。
「戦争は味方が苦しい時は敵も苦しい。もはや退却という時に、突然敵が撤退するのは、戦場では珍しくない事例である。なによりも、戦意を失わぬことが肝要である。」
世の中には、「もうダメだ」と苦しんで、一切を投げ出そうと思っている人も多いだろう。
不思議なことに、投げ出した後に、もう少し頑張っていれば状況が好転するということは多いことだ。
ロッド・レーバー。
1962年と1969年の2度「年間グランドスラム」を達成した名選手である。生涯を通じて「2度」この偉業を成し遂げたテニス選手は、男女を通じてレーバー1人だけである。
彼の言葉。
「もうダメだ!」と思ったときが「頭一つ抜け出す」とき。気を抜くな。
どんな事柄も、上昇と下降。そして横ばい。いわゆるもみあい時期がある。
そして、そこには閾値がある。
閾値とは、その値を境にして、動作や意味などが変わる値のことである。
何事も、上昇したり、下降したりすると、停滞時期、横ばい、もみあい時期に入る。
順調に上昇してくると、もうここが限界と考えてしまう。
状況が悪化してくると、ここが底と思ってしまう。
しかし、もう一息のきっかけがあると、ブレイクして急上昇、急降下することがよくある。
もしくは反転。
このもみあい時期こそ、攻めも守りもギリギリの勝負どころである。
ここの、もう一歩の努力が、勝敗を決めることになる。
或る広告会社が、300人の営業マンの日誌を3年間分調査した話があった。
1.広告主から相手にしてもらえるようになるまでの回数。13.5回。
2.初めて仕事が出るまでの回数。21.8回。
3.ギブアップするまでの回数。11.0回
もう一歩の努力が、成功の秘訣のようだ。
多くの人が結果を得るまでのもみあいの時期にいる。
「つらいときには相手もつらい」
最後まで…希望をすてちゃいかん。あきらめたらそこで試合終了だよ。
安西監督(スラムダンク)
夜明け前の闇は、一番暗いという。
一方、燃え尽きる前のろうそくは、一瞬、明るくなるという。
決して、その瞬間を見誤ってはいけない。
閾値を上か下かブレイクする時が来る。
負ける負けると思えば負け、勝つ勝つと思えば勝つものなり。負けると思いて勝ち、勝つと思いて負けることもあれど、人には勝つものと言い聞かすべし。
豊臣秀吉
ではまた。