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ニルヴァーナの死について

 ニルヴァーナは、彼らの言う所の「殺処分」から馬主さんが救い出し、そして私にも大きな問いかけを残す形で亡くなって行きました。

ニルヴァーナ


 珠洲ホースパークをチェックされている方々で、ニルヴァーナと言う馬についてご存知の方はどの位おられるでしょうか?
以下、現在は当時より改善されていると信じますし、個別馬房は有り昼夜放牧も行われて居ない様です。
内容に付いては、基本的に直接の関わりのある方々からの話をベースにしていますが、信じる信じないは読まれた方々にお任せします。

 ニルヴァーナは、2022年12月から2023年2月5日まで、預託馬としてみんなの馬に預託されていた馬です。
(場所は、現在の珠洲ホースパークは無く、クラウドファンディングで厩舎を建設した前の放牧地です)

  公式ページを確認頂くと心不全で亡くなったと発表され、その後触れられる事は有りません 。

ニルヴァーナの経歴

 ニルヴァーナの死について、私が知る範囲の事をお話します。
 簡単に経歴を上げると 競走馬から乗馬に転じ高校乗馬を引退後、肉値が付いて居た所を最後の馬主さんが買い取った経緯が有ります。

当時20歳と比較的高齢の馬でしたが、熊本から小松トレセン(温泉を使える事でも知られる所です)を経由して輸送されたと聞いており、馬主さんは相応の注意を払って輸送した物と思います。

心不全と言う診断について

 先ず、心不全は特に死因を探らない際にも付けられる物である事、診断を下す獣医さんが開業医と異なり制約の有る保健所の獣医さんで有る事を申し上げておきます。

経緯

 後から馬主さんから聞いた話と、私が直接見た話を纏めると、この年能登は大雪が降っては解ける状況を繰り返し、2月5日前後は積雪が有りました。
私は12月に珠洲を訪れた時は大雪、後に1月中旬に訪れましたが、その時雪は有りませんでした。

1月19日撮影 この時は雪は無くなって居ました

当時、角居さんのコンセプトから夜間も馬房出入り自由、馬着は使わないと言う昼夜放牧でした。
これは、角居さんから直接聞いています。

亡くなる前日、天気が雪から雨に変わり、ニルヴァーナは震えていたと聞きました。
本来寒さに強い筈の馬が震えると言う事は、発熱していた可能性が高いとの事です。
しかし、当時のスタッフは馬房に入れる等の措置をせず夜を越させており、結果翌日ニルヴァーナは死亡しました。
見付けたのはスタッフでは有りません、倒れているのを近所の牧場の方が見付けてスタッフに知らせ、獣医さんを呼んだものと聞いています。

こんなに雪が降りました、と言う趣旨のメッセージと共に、
亡くなる前日に馬主さんに、送られた写真
(馬主さんから頂きました)

 この頃のスタッフには、元トレセンの厩務員が2名含まれて居ましたが、別の指導的なスタッフを現場から追いやり、大きく飼養の質が下がって居ました。
しかし、確実に指導可能な程度には現場に居た角居さんも、特に手を打って居なかった様ですし、そもそも昼夜放牧や馬着不使用は角居さんのコンセプトです。

 その後、ニルヴァーナの事について、角居さん、みんなの馬、誰からも触れられる事は有りません。
ニルヴァーナの馬主さんは、ホースコミュニティにも協賛しており、角居さんに直接失敗事例として何処ででも触れて欲しいと伝えて居ますので、取り上げない側の都合です。
私はそれを知った後、みんなの馬公式の発表文をそのまま受け取る事が難しくなりました。

ニルヴァーナは、肉値が付いていた、そのままであれば「屠殺」
角居さんやその周辺の方々等の言う所の「殺処分」から馬主さんが文字通り引き取り救った馬でした。
救ったのは角居さん達では有りません。

 それを踏まえて、果たしてこの状況が、角居さんやその周辺の方々、多くの関心を持つ方々が良く言われる、
「馬を救っている」と言える状況だったのか?
それが馬に対しても、預託で有った以上馬主さんに対しても十分誠実と言える対応であったのか?
現在において、それは改善されているのか?
馬を救うとは、一体何なのか?
関心を持って頂けた方々にも、考えて頂ける機会となればと願います。


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