見出し画像

新築注文住宅と中古マンションどっちが暮らしやすい?

こんにちは。

夢破れた一級建築士です。

多額のローンを抱える恐怖が原因の不眠症により「マイホームを自分で設計する」夢を諦め、中古マンションを購入しました。

中古マンションで生活を送る中で、

「もしあのまま新築の注文住宅を買っていたら、今ごろどんな生活を送っていたんだろう。」

と思うことがしばしばあります。

そこで今回は契約寸前で諦めた5500万の新築注文住宅と、実際に購入した2800万の中古マンションの比較を【暮らし】に焦点をあてて行なっていきます。

私はこれまでに120棟以上の注文住宅を設計し、ゼネコン時代にはマンションの新築工事に携わっていました。

そんな仕事での経験と、実際に購入した中古マンションで送る生活をもとに

  • マイホームの購入を考えているけど、何がいいか迷っている。

  • もうすでに購入したけど、他はどうなんだろう。

という疑問を解決する手助けになればと思い、契約寸前で諦めた5500万の新築注文住宅と実際に購入した2800万の中古マンションの比較記事を書かせていただきました。

それではまずはこの項目から比較していきます。

駅からの距離

私が注文住宅の購入を検討していた土地は、今も開発が続くニュータウンの一角でした。

街並みはきれいで近くに大型のショッピングモールがあり、妻もすっかり気に入っていました。

しかし駅からは遠く、徒歩で40分バスで15分の立地条件です。

対して購入した中古マンションは、同じ駅から徒歩5分の立地です。

電車の出発時刻の10分前に家を出れば、乗りたい電車に間に合います。

駅からの距離については、購入した中古マンションの方が圧倒的に好条件です。

注文住宅の購入を考えていた頃は、車の2台持ちは避けられない状況でした。

しかし駅近の中古マンションを選択したことにより、車は1台持ちで済んでいます。

車の日常的な維持費や将来的な買い替えを考慮すると、経済的にもかなり有利に働いたと考えています。

駐車場からのアクセス

戸建て住宅の場合は敷地内に駐車スペースを設けることができるため、車から家までは徒歩0分でアクセス可能です。

さらに間取りによっては、車のトランクから掃き出し窓に荷物を直接入れることも可能なため利便性は高いです。

一方現在住んでいるマンションは、駐車場から家の玄関まで3分程度かかります。

さらに立体駐車場のため、車の上げ下ろしを考慮すると家の玄関を出てから車を出発させることができるまでは最低5分はかかります。

毎日こまめに車を出し入れする方、車から大きな荷物を運ぶことが多い方にはおすすめできません。

ということで駐車場からのアクセスについては、完全に戸建て住宅の勝利となります。

間取り

建てようとしていた注文住宅も、購入した中古マンションも同じ3LDKです。

違いは注文住宅は2階建てであったこと、中古マンションはワンフロアで完結していることです。

2歳の息子とともに中古マンションで生活を送る中で感じることは、

「ワンフロアで完結してるのめっちゃ楽」

ということです。

朝起きて支度するのも、お風呂からあがり寝かしつけするのも、上下の移動なく済ませられることが家の中に階段のない最大のメリットだと感じます。

階段があると転落を気にしなければいけなかったり、寝室の様子を確認するのに別フロアに移動しなければならなかったりと何かとストレスの原因になります。

ということで2歳の息子を子育て中の私の中では、間取り面ではワンフロアで完結可能な中古マンションに軍配があがります。

計画していた注文住宅の窓は最上位クラスのもので、窓枠が樹脂でガラスが3枚のトリプルガラスでした。

一方今住んでいる中古マンションの窓は、窓枠がアルミでガラスが1枚の最低限の窓といった仕様です。

夏の間はあまり感じなかったのですが、冬になるとその差はハッキリと出てきます。

アルミサッシの単板ガラスの窓の冬はとにかく寒い、そして結露する。

窓の性能が悪いと暖房、冷房の光熱費も余分にかかってしまいます。

対策としては内窓をつけて性能をアップさせるという方法があります。

いまは国からの補助金も出るので、2025年中には内窓をつける計画をたてています。

ということで窓については新築注文住宅の勝利です。

夫婦2人の希望として子供を遊ばせたり、家族でくつろいだりできるが欲しいというものがありました。

中古マンションを買った時点で、その希望を諦めたのかというとそうではありません。

ルーフバルコニー付きの中古マンションを買うことで、その希望を叶えることができました。

注文住宅を計画しているときは、隣の2階からや道路からの庭への視線をどうやって防げばいいのかと頭を悩ませていました。

その点ルーフバルコニーは周りの目線が気にならず、子どもが道路へと飛びだす心配もないため安心して遊ばせることができています。

妻とも

「周りの目が気になる庭よりも、このルーフバルコニーでよかったね。」

と話しています。

ということで庭については、プライバシー性の確保が難しい戸建ての庭よりも、ルーフバルコニー付きの中古マンションにしてよかったと感じています。


中古マンションは設備が古い、駐車場から家まで遠いなどのデメリットは確かに存在します。

一方で駅までの距離が近い物件が安く手に入る、そのおかげで車の所有台数を抑えられるなどの経済的なメリットもあります。

2歳の息子を子育て中の現時点では、中古マンションを選んでよかったというのが本音です。

設備の古さは後からでもリカバリー可能ですし、今の時代ネット通販を活用すれば駐車場から重い荷物を運ぶシチュエーションもそうそう訪れません。

5500万円のローンを背負う恐怖で不眠症になりましたが、そこで無理せず身の丈にあった選択をしてよかったと思います。

一級建築士として注文住宅を設計している立場ですが、立派な家を買うことだけが人生ではありません。

家族で旅行に行ったり、美味しいものを食べたりする余裕を残した選択を取ることが重要だと考えています。

私の経験がこれから住まい選びをする方の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!