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じーじが孫に甘いわけ

土曜の朝、小学校に上がったばかりの息子が、サッカーボールを胸に抱えて私の部屋にやってきた。仕事で疲れていた私は、ベッドに横たわったまま寝たふりをした。
 
日曜の朝、バドミントンを持った息子がやってきた。薄目を開けると、寂しげに去っていく後ろ姿があった。
 
「ねーパパ、あそぼ」と耳元でささやく声。待ち続けた週末だから、一緒に遊んでほしかったことだろう。
 
でも、疲れた私を気遣って、揺り起こすようなことはしなかった。その小さな胸には、大きな葛藤があったに違いない。
 
20年後の今も、あの時の「ねーパパ、あそぼ」が耳に残っていて、ときどき夢枕に涙する。
 
仕事など捨て置いて、子どもとの時間を大切にすべきであった。もっともっと遊んであげるべきだった。もっともっと抱きしめてやるべきだった。
 
ふと目が覚めると、息子が子どもにミルクを与えている。その優しいまなざしに、なぜかホッとした。
 
再び目頭が熱くなった。
 


 
 



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