スタートレックアドベンチャー第2版コアルールの紹介 その2
第4章:任務報告
4.1:プレイヤーキャラクター
キャラクターの種類の解説です。プレイヤーキャラクターの種別は大まかに、メインキャラクター、サポートキャラクターに分れます。
メインキャラクターは、プレイヤーが扱う主たるキャラクターです。
サポートキャラクターは、メインキャラクターと違い、各プレイヤーで必要に応じて操作されます。
特徴(Trait)
キャラクターは様々な特徴を持ちます。種族も特徴の1つです。
キャラクターは1つ以上の特徴を必ず持ちます。
価値観(Value)
キャラクターは、信念や態度を示すものとして、価値観を持ちます。価値観は、決断力を消費するときに使われます。
属性(Attribute)
キャラクターを表わす数値である属性は、統制(Control)、勇気(Daring)、体力(Fitness)、洞察(Insight)、存在(Presence)、理知(Reason)の6種類です。これは第1版と同じです。
部門(Department)
属性に加えて、キャラクターは、指揮(Command)、操縦(Conn)、工学(Engineering)、保安(Security)、医療(Medicine)、科学(Science)の6つの部門値を持ちます。これも第1版と同じです。
ストレス(Stress)
キャラクターは、体力と同じ値までストレスを耐えることが出来ます。
第1版のように、保安値が最大ストレス値に影響を与えることはありません。
専門(Focus)
キャラクターは、より深く技能を習熟しているものとして、専門を持っています。タスク判定時、そのタスクに専門が関係しているとGMが認めた場合、d20の結果がタスクに使用した部門値以下だった場合、成功数1でなく2と数えます。
特技と特殊ルール
種族や属性値の下限など条件を満たせば、特技を取得できます。また、種族固有能力や艦長などの役割によって貰える能力が存在します。
4.2:キャラクターのライフパス
キャラクターを作成するためのライフパスを決めていきます。
キャラクターの基本属性値は7で、属性値の上限は12です。また、属性値12を複数所持することは出来ません。
基本部門値は1で、部門値の上限は5です。また、部門値5を複数所持することは出来ません。
ステップ1:種族
キャラクターの種族を選択します。
種族を選ぶと、指定された属性が増加します。
また、特徴や種族能力を取得します。第1版と違い、種族能力と種族特技は別物になっています。
選択できる種族は、アンドリア人、エイナー人、ベイジョー人、ベタゾイド人、カーデシア人、デノビュラ人、フェレンギ人、人類、クリンゴン人、オリオン人、ロミュラン人、テラライト人、トリル人、バルカン人の14種類です。
第1版からかなり増えてますね。
ステップ2:環境
出身地を決めます。環境を決めると、価値観や属性、部門が増えます。
環境は、別の種族の世界、忙しいコロニー、開拓コロニー、母星、孤立したコロニー、宇宙船又はスターベースの6種類です。
ステップ3:生い立ち
幼少期の過ごし方を決めます。生い立ちを決めると、属性や部門、専門、特技が増えます。幼少期を従順に受入れるか、反発するかで、増える属性が決まります。
生い立ちは、農業又は田舎、芸術的及び創造的、ビジネス又は貿易、外交及び政治、科学及び技術、宇宙艦隊又は軍の6種類です。
ステップ4:キャリアパス
キャラクターの高等教育を決めます。第1版と違い、宇宙艦隊士官以外に、宇宙艦隊下士官、宇宙艦隊情報部、外交部、民間人(医師)、民間人(科学者)、民間人(公務員)、民間人(貿易業者)、様々な職が用意されています。
宇宙艦隊(士官)
宇宙艦隊アカデミーに入学し、指揮、運用、科学コースに進みます。宇宙艦隊の上級士官を目指すには、必須のキャリアーです。
指揮は、指揮や操縦部門が上達します。
運用は、工学や保安部門が上達します。
科学は、科学や医療部門が上達します。
宇宙艦隊(下士官)
直接、宇宙艦隊に入隊し、下士官として宇宙艦隊で働きます。
操縦、保安、工学、科学部門が上達します。
宇宙艦隊(情報部)
セクション31などの情報部に入隊し、工作員として働きます。
指揮や保安部門が上達します。
外交団
外交官として、働きます。
指揮部門が上達します。
民間人(医師)
民間で、医師として働いています。
医療部門が上達します。
民間人(科学者)
民間で、科学者として働いています。
科学部門が上達します。
民間人(公務員)
民間で、役人として働いています。
指揮部門が上達します。
民間人(商人)
民間で、貿易商人として働いています。
指揮部門が上達します。
ステップ5:経験
キャラクターの経験を決めます。
初心者、経験豊富、ベテランの3種類です。
初心者は、「未開発の可能性」特技を持ちます。
この特技を持つと、属性や部門の上限が下がり、階級に上限があります。
また、ダイスを1つ以上購入した時、d20を振り、判定に使った属性値以下が出れば、機運を1点貰え、属性値を越えていたら脅威を1点得ます。
ベテランは、「ベテラン」特技を持ちます。
この特技を持つと、階級の下限(少佐以上か上級曹長以上)があります。
また、決断力を消費したとき、d20を振り、統制値以下が出れば、決断力を1点回復できます。
第1版と、処理が異なっていますね。
ステップ6:キャリアーイベント
キャラクターの以前に発生した出来事2回を決めます。
上司の為に理想を裏切る、画期的な発見または発明、理想のために上司を裏切る、敵対文化との対立、疫病に対処、友人の死、アーティファクトを発見、本当に異質な存在に遭遇、ファースト・コンタクト、他文化から称賛される、独特な言語を習得する、指導者付き、条約の交渉、新しい戦闘戦略、指揮を取る必要、重傷を負う、船が破壊された、技術的危機を解決した、特別表彰を受ける、転送機の事故
いくつか、第1版と内容が変わっています。
ステップ7:仕上げ
最終ステップで、価値観や属性値、部門値、専門、特技の上限や数を確認します。
・属性値の総計は56です。
・部門値の総計は16です。
・気晴らしという趣味のようなものを決めます。
・役割をPLで話し合って決めます。役割は、艦長、副長、オペレーションマネージャー、機関主任、保安主任、戦術責任者、操舵士、航法士、科学主任、船医、カウンセラー、通信士官などです。
役割毎に、役割特典を貰えます。
階級
大佐や中佐、少佐など、階級を決めます。
装備
キャラクターは、標準装備を持っています。これは、制服、コムバッチ、トリコーダー、サイドアーム、ツールなどです。
4.3:プレイ中の作成
4.2章のように、ライフパスで作成するのでなく、概略だけ決めておいて、プレイ中にキャラクターを作成することも出来ます。
4.4:サポートキャラクター
サポートキャラクターの使用
シーンの開始時に、プレイヤーはメインキャラクター、サポートキャラクター、そのシーンで作成したサポートキャラクターの中から、使用するキャラクターを選ぶことが出来ます。これを制御キャラクターと呼びます。
制御キャラクター以外のサポートキャラクターは、非制御キャラクターと呼び、制御キャラクターのようにタスクを行なう事が出来ません。
基本としては、支援を行なうだけとなり、メジャーアクションを行なうには、制御キャラクターの直接指示によってのみ、タスクを行ないます。
サポートキャラクターの作成
PLグループは、船の乗務員補助値の数まで、サポートキャラクターを持つことが出来ます。
初めてゲームに登場したサポートキャラクターは、メインキャラクターよりも能力が低めですが、登場する度に改善されていきます。
シーンに再登場したサポートキャラクターは、改善を1つ行なって登場することになります。
4.5:特技
特技は、大まかに、汎用特技、種族と文化特技、強化とサイバネスティック特技、秘められた特技、指揮・操縦・工学・保安・科学・医療特技に分れています。
種族特技を明白に分けているのと、サイバネスティックやテレパシーなどの超能力を、特技として記載したのが特徴的ですね。
特技は、第1版と内容が違うので、基本、互換性は無いと思ってください。
4.6:キャラクターの成長
マイルストーン
成長ルールは、第1版よりも簡単になったようです。通常マイルストーン、スポットライト・マイルストーン、アーク・マイルストーンがなくなり、ログエントリー、マイルストーンの達成、キャラクターアークの3種類になりました。
ログエントリーは、各冒険の終わりに、使用した価値観を記録しておくものです。ログエントリーに記録するときに、属性値や部門、特技の入替を行なえます。
マイルストーンの達成は、第1版のように印象的だったキャラクターを1人選ぶスポットライト・マイルストーンと違い、ログエントリーに残っている使用した価値観を呼出して、決断力を得たキャラクターに発生します。ログエントリーの修正時に、属性や部門、特技、船のシステムや部門、特技を増やすことが出来ます。
キャラクターアークは、3回以上マイルストーンの達成が行なわれたときに発生し、マイルストーンの達成と同様にさらに属性値などを増加させることが出来ます。ただし、キャラクターアークの達成は、達成する度に必要なマイルストーンの達成数が1増加します。
評判
キャラクターは、組織内での評判を持っています。初期値は3です。
ミッションの終了時、その組織への評判が関係しそうな場合、評判ロールを行ないます。
まず、評判ロールのために、肯定的影響と否定的影響をリストアップします。肯定的影響は、ダイスを振る数を決めます。否定的影響は、難易度を決めます。
目標7+評判で、判定を行ないます。以前からの懲戒ポイントが残っている場合は、複雑化の範囲が増えます。
複雑化が発生した場合は、懲戒ポイントを得ます。
難易度を超えた値だけ名声ポイントを、難易度に足りなかった分だけ懲戒ポイントを得ます。
評判ロールは通常、指揮官から行なわれます。何故なら、指揮官の評判の結果が、以後の評判判定に影響を与えるからです。
評判値だけで処理する第1版よりも、分かりやすくなりました。
名声の使用
名声ポイントを消費することにより、様々な恩恵を得ることができます。
表彰や他者を称賛、任官、好意を得る、評判の増加、昇進、地位などです。
昇進が名声ポイントを支払うことにより行なわれるのが面白いです。
表彰
表彰は、クリストファー・パイク勲章など功績をたたえるために与えられます。
表彰を持っていると、使用条件を満たしていれば、特別な効果をもたらすことが出来ます。
第1版にはなかったルールですが、プレイヤーの任務へのやる気が増えますね。
懲戒
懲戒ポイントを得ると、懲戒表からポイントを消費しなければなりませんが、すべてを消費する必要はありません。残った懲戒ポイントは、次回の評判判定に複雑化範囲の増加という悪影響を与えます。
懲戒は、
軍法会議、降格、拘留、反感を買う、評判を下げる、恥辱による影響、地位、表彰を剥奪するなどです。
第1版にはなかったルールですが、面白いですね。