ぼくはソニー(4)
ぼくがここに来て初めての冬。空から冷たい白いものが降ってきた。雨とは違って地面にどんどんたまっていく。純兄ちゃんと哲郎は「雪だ、雪だ!」と言いながら外へ出てきた。白いものを固めて、ぼくに見せてくる。ちょっとなめてみたけれど、冷たいだけで味がしない。そのうち二人はそれをぶつけあったり、もっと大きく固めて丸い人みたいな物を作り始めた。雪だるまというらしい。二人ともとても楽しそうだ。寒いし冷たいしなにがそんなに楽しいのかわからない。次の日には雪はやんだけれど、その雪だるまというやつはしばらくうちの玄関に突っ立っていた。ちょっと不気味で近寄れない。そのうちにそれは水になって消えてしまった。まだまだぼくが知らないこと、たくさんあるなぁ。
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