頬粘膜がん 402日目 医療麻薬のはなし


 頬粘膜癌 402日目。

 血圧 121 ー 87 mmHg
 血糖 - mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 77 拍/分
 体温 36.6 ℃
 体重 73.0 kg

 痛み止めを常用しだして長い。と、思う。
 去年の11月に頬粘膜がんの手術をした。その1ヶ月前に大学病院で検査してがんだと告げられた。
 がんと告知を受けた後というか、その頃すでに僕の口の中には数cmの大きさになったデキモノがあり、モノを食べたりしたときにそこにあたったりして結構な痛みがあったり、なんなら何もしないでも刺すような痛みがあったりした。
 そのため、痛み止めであるトラマールが処方された。麻薬性鎮痛剤で厳密には麻薬ではないらしいが、医療麻薬と呼ばれるモノの中のひとつなんだろう。
 院外処方して貰うとわかるが、取り扱いは普通の風邪薬とは違い、保管や扱いについてそれなりに注意をうけるし、院外処方の薬局でありがちの配達みたいなものはしてもらえず必ず手渡しでやりとりされる。

 そこから始まって術後も点滴状の医療麻薬系の鎮痛剤が使用された。激痛時はナースコールを押すと、看護士さんがポチッとボタンを押してくれて、痛み止めが体に入っていく。多分、緊急時以外でも少しずつ点滴されていたと思うが、そこらへんはあんまり良く分からない。

 ロキソニンであったり、カロナールであったりとそこらへんの鎮痛剤も適宜使用された。抗がん剤と放射線治療を始めてから、放射線の影響で口の中がぼろぼろになって来た頃に激しい痛みに対処するため、オキノーム&オキシコンチンを使い始めた。

 左の頬を抉る手術をした後に放射線を当てたので、頬粘膜はあまり再生が進まないまま日々が過ぎていく。もちろんそれなりに再生はしているし良くはなっているが顔の左側は今でもあまり髭が伸びない。

 診察に行くと、頬の粘膜も大分再生してきてますねぇと言われるので多分それなりに良くなっているんだろうが、熱いお茶は飲めないし、味噌汁もかなり冷めてからじゃないと飲めない。飲み物は総じてそんな感じだ。もちろん、直接さわればかなり痛いし、口の開け閉めなんかで皮膚や口の中の粘膜が引っ張られればかなり痛い。

 何もしていない時でもどうも痛み止めが切れてしまっているとそれなりに痛いようだ。

 ”切れてしまっている”と、つまり基本は常に痛み止めが入っていて、リアル痛みは僕の生きている世界では殆どないわけだ。オキシコンチンという薬は12時間が効果時間とされていて、1日2回の服用で常に体の中に鎮痛剤が回っている状態になっているらしい。それに加えてオキノームという粉薬を頓服として使用する。朝起きてすぐとか、オキシコンチンが切れかけで、目覚めたばかりの暫くは顔が痛い。喋るのに口を動かしたりするとアレだし、朝の食事もかなり痛いのでオキノームを飲んでスタートを切るみたいな。

 たまに、晩飯の後とかに薬を飲む時間の前にうたた寝し始めてオキシコンチンが切れたりすると、目が覚めて普段よりも2倍増しとかの感じで顔が痛かったり、頸部や後頭部なんかが突っ張ったり頭痛だったりという状況に陥ってちょっとめげるw

 主治医も長期にわたっての医療麻薬の使用だし、放射線治療後も随分と経つので処方を減らしたいようでもある。

 僕自身も、これってずっと使ってていいものなのかどうかってのは、多少気になっていたりはする。気になっているが、薬が切れるとそれなりに痛いので手放せないでいるってのも事実だ。

 世の中にはいろんな痛みを抱えて生きている人がいっぱいいるし、それぞれの人がどれぐらいの痛みなのかは想像できない。もちろん比べることもできない。

 僕の痛みとあなたの痛みはどっちが勝ちですか? イェイ! って勝敗を決められるようなものじゃないのが難しい所だ。

 最初は飲んだ日はふらふらになってまったく人として使い物にならないぐらいに影響があったオキシコンチンであるが、今はそれを使いながら日常生活を普通に過ごしている。なんだか、不思議で少し不安で、慣れてしまっていて日常でっていう変な感じだ。

 今日の晩、薬を飲む時間がずれ込んで、薬抜きのリアル痛み世界をちょっと経験したところだったのです・・・・・・という話である。

 さて、下の写真の白い物体はなんでしょう。

006P 9V

 最近じゃ滅多にお目にかからなくなってしまった9Vの乾電池。型式は”006P”という。ごくごく狭い界隈でしか、もう使われてないんじゃないかという奴だ。

 界隈ってどこよ? そうRATに入れたりするんだ。RATがわかんない人は椎名林檎の丸の内サディスティックの歌詞に「ラットひとつを商売道具にしているさ」ってのがあるのでその解説とかを調べてみて欲しい。・・・・・・って面倒くさいかw エレキギターのプレイヤーが足下に置いてガチャガチャ踏んだりしてギターの音を変えるエフェクターって機械を動かすために必要な電池だ。あるいはベーシストが使うDIってボックスでも使われたりするし、エレアコって言われるアンプに出力できるライブとかでは使いやすいアコースティックギターとかでも使う。つまり、そこらへん界隈。

 それの最新版。なんと、USB充電できるリチウムイオン電池である。付属のケーブルで底にあるコネクタから充電できる。USB-Cだから今時のiphoneの充電ケーブルで充電できるって事だw

 椎名林檎の丸の内サディスティックの歌詞はこの部分も含めて曲を聞いただけじゃわからない趣があるので興味がある方はちょっとだけググってみると面白い。

丸の内サディスティック - 椎名林檎(フル)水平線 - back number https://youtu.be/DukH-lRrkX0愛のうた - 倖田來未 https://youtu.be/2_dAGm6jzM4青のすみか - キタニタツヤ https://youtu.be/dyhFY6X5pwIプラスティック・ラブ - 竹内まりや https://y...

youtu.be

 本命はこっち。

 ばばーん、単三乾電池。

単三電池

 こちらはケーブルもいらない。電池のさきっぽを抜くとそこがUSB-Aコネクタになっていて、携帯電話のAC充電器にサクっとぶっさしたり、なんならPCのUSBコネクタに差し込んでも充電できる。3400mWhってのが普段あまり使わない単位なんでアレだが、通常のAh(アンペア×h時間)にV(ボルト)をかけるとW(ワット)になるから単三電池だとAhの1.5倍の値を示しているのかな。Ahで言えば2200って所か。

 多分、かなり便利なんじゃないかと思う。

 エネループとかだと充電器がないと充電できないけど、これだと多分だけどそこらじゅうで充電できる。今時スマホの充電は必須だし、そこらじゅうにあるノートパソコンはUSB接続端子をもっているから。

 今年買った、自分の中ではスマッシュヒットのアイテムだw


 今日もいい1日であった。


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