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複雑な氣持ちになりつつも、救われた氣持ちにもなったできごと

 こんばんは!!

 今日もお疲れ様です☕🌈

 15時を過ぎたあたりから、周りが少しずつ暗くなり、カーテンを閉める度に「ああ、今日も一日終わったあ💕」と思う日々です✨

 さて、今回の記事は、「複雑な氣持ちになりつつも、どこかで救われた氣持ちにもなったできごと」について、最近体験したことを書いていきます。


 昨年の終わり頃、毎年恒例の味噌づくりワークショップに参加しました。15日に参加予定だったのですが、私の作りたい味噌の量が、実家に送る分も含めて大量になることもあり、参加者のできるだけ少ない別日にお願いしたのでした。

 
 いつも味噌づくりを教えてくれる友人が、「この日、旦那さんが聾者という友達も参加するよ。」と教えてくれたこともあり、手話も使えるとのことでどんなやりとりができるかなと、楽しみな氣持ちで当日を迎えました。


 当日、味噌づくりを教えてくれる友人の家で初めてお会いして、手話で自己紹介から始まり、歳もほとんど変わらないこともあって、思っていたよりもすんなり打ち解けることができました。


 「うちの旦那さん、あなたのことを知っているって言ってたよ。」という言葉にびっくり。よくよく話を聞いてみると、旦那さんの聾学校の同級生や先輩・後輩で知っている人がたくさんいたのでした。久しぶりに聞く懐かしい名前もありました。明るい雰囲気の彼女とのやりとりは、本当に楽しくてリラックスできました。


 いろいろ話しているうちに、彼女はこんな質問をしてきました。

彼女「不思議な巡りあわせだよね。高校の同級生に聞こえない友達(私)
   がいるなんて。つき合いが長いとのことだけど、どうやってやりとり
   してきたの?」

友人「うん、いつも口を読み取ってくれるんだよね。だから、それに甘えち
   ゃってなかなか手話を覚えないんだよね。」


 ここまでのやりとりは、よくあるパターンでいつものように「うんうん」と頷いていたのですが、その後彼女はこんな言葉を放ったのでした。

彼女「え、それってずるくない??」


私  衝撃と驚きのあまり言葉にならず、固まってしまう。

彼女 ドギマギする私の横で、明るい感じでニコニコしながら
  「だってさ、聴こえない人達は常に口を読み取ってコミュニケーション
   をとろうって努力しててさ、聴こえる側がそれを当たり前に思うのは
   どうかと思うんだよね!!」


 思いもよらない彼女の言葉を、友人がどう受け止めて、どう答えたのか、怖いという氣持ちから平常心を保つのに必死で、友人の顔をしばらく直視できませんでした。


 かれこれ10年ぐらいのつき合いになる友人は、彼女の言葉を悪いようには受け止める人ではないと信じているけれど、私の心臓のバクバクはなかなか止まらない中で、今後の関係の変化に不安を感じたりしている自分がいました。

 その後、何事もなかったように、みんなで美味しいおやつとお茶を頂きながら談笑し、「来年の秋、味噌ができあがるの楽しみだね~。」と言いながら別れたのでした。


 「ずるい」と言った彼女の言葉が、しばらくの間、私の中で堂々巡りしていました。悪氣があって言ったわけではないし、その言葉の真意はもっと深いところにあるというのもわかります。彼女自身も周りからはなかなか理解してもらえない病気を抱えていて、これまで辛い思いをたくさんしてきたからこそ、その言葉が自然に出たのでしょう。


 味噌づくりの途中で、彼女が何度も言っていた「みんなが笑顔になれるような社会にしていきたいね!!」という言葉から、「ずるいよね??」という言葉に彼女のこれまでの想いが垣間見えたような氣がします。


 そして、その場で私は驚きと恐怖で固まってしまったけれど、でもどこかで救われたような氣持ちになっていたのも事実です。


 「口を読み取ってくれるから甘えてしまって手話をなかなか覚えないんだよね」という言葉に、なんとも言えない孤独感や寂しい気持ちになったことが何度もあります。


 手話を覚えるのは、英語を覚えるのと同じように簡単なことではないと理解しているので、相手にそれを強制するつもりはないけれど、「甘えてしまうから覚えない」という言葉を何度も聞かされると、私も一人の人間です。


 だんだん悲しい氣持ちになってきて「じゃあ、いつになったら手話を覚えるの?いつまで口を読み取り続けたらいいの?」と言いたくなることもあります。手話を覚えてほしいというよりも、「今」いるこの空間を共に分かち合いたいという想いが強いのです。


 聴こえない人達にもそれぞれの人生があります。一人の人間として、より豊かな時間を積み重ねていきたいという想いは、聴こえる人たちと同じようにあるのです。


 そんなこともあり、聾の旦那さんを持つ彼女の「ずるいよね??」というストレートな言葉は、私のこれまでのもどかしい想いを代弁してくれたような氣持ちになり、それこそ「救われた」ような感覚になったのでした。


 聴こえないとはどういうことなのかを、より身近に感じながら過ごしてきている彼女だからこそ言えることでもあり、言葉にして周りに伝えてくれたお陰様で「一人じゃないんだ」と救われた氣持ちになれたこと、心から感謝の氣持ちでいっぱいです。


 
 この世の中にはいろいろな人が存在します。「聴こえない」というのは、音による情報がメインとなっている社会で、壁になっていることがたくさんあります。何度もぶつかる壁に心身ともに疲れ果ててしまうこともあるけれど、だけど「あきらめない」という選択をして、より良い人生を歩んでいきたいと改めて思ったできごとでした。


 長文になりましたが、最後まで寄り添いの氣持ちで読んでくださり、ありがとうございました🌈💖


 今日も、実りある素敵な一日となりますように✨


 
 


 


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岩井真里子
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