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障害者のきょうだいたちもキラキラ✨自分らしく輝いて🌈

ここ数日、長男(26歳)が帰宅しています。
3月の終わり頃に引っ越しをして神戸で一人暮らしを始めた息子。
今回は帰省のような感じで数日の滞在です。
こちらで買い物をしたりクリーニング屋さんを利用したり、お友達と過ごしたりするようです。


彼はきょうだい児。
小さい時から親でも手に余る重度知的障害の妹と一緒に過ごし、その辺の大人よりはるかに上手に世話をしたり一緒に遊んだりできます。

彼が小学五年生の頃、市役所に放課後支援の相談に行っていた私に、福祉課の男性職員が『妹ちゃんは、お兄ちゃんと一緒にお留守番できないの?』と、この現実へのイメージ皆無のお粗末さで聞いてきたことがあります。

なんだかとても腹が立って『できますよ、正直あなたよりはよっぽど上手に面倒見ると思います』と答えましたっけ。
それくらい妹の世話は上手な兄でした。

たとえできたとしてもです。
小学五年生の兄に、こんなに手と目のかかる妹を押し付けて安心して出かけられる親がどこにいるというのでしょう。
私は社会システムとして、専門家が関わってくださる福祉の手続きをしようとしていたのです。
日本の家族主義の問題が見え隠れしますよね。ついこの間まで、お役所の方の意識もこんな感じで、家族がいれば(それがたとえ小学生のお兄ちゃんでも)家族でなんとかしなさいという考え方だったのです。

彼は介護職になりましたから、今でも、プロの介護職として娘の入浴介助もできますし(彼が水着またはトランクスを履いて入ります)、トイレ介助もバッチリです。
当時小学生の時でもウンチのオムツ変えもできる驚きの兄でした。(汚染時はシャワーを浴びさせる大雑把っぷりですが💦それで充分ありがたかったです。)

私の母の生前、母の老人ホームにこまめに会いにいってくれたのも病院などへの付き添いをしてくれたのも息子でした。

最近はヤングケアラーなんて言葉ができて、当てはまりすぎてびっくりしたのですが、息子はまさにそんな感じでした。
我が家ではこれが普通だから、くらいの感覚で、自然体で可能な範囲でこなしてくれました。

お願いすれば助けてくれる息子に、ついつい色々とお願いしてしまう私たち親もいけないのですが、ほとんど嫌がらずこなしてくれる彼に私たちはよく甘えてきてしまいました。

でも、私たち親は彼を娘の介助者にしたかったわけでは決してありません。
彼には彼の人生がありますし、家を出たいと言えば出てもらったらいいと思っていました。
大学生の時にカナダに留学したいと言った時も喜んで送り出しました。

彼なしの人生を送ることは私たち自身がきちんと考えて伝えてやらないと、彼自身が我々から離れていく決断をすることは言い出しにくく難しかろうと思い、できるだけこの気持ちはいつも言葉にするようにしてきました。

母である私が、家に居ながらにして趣味や気分転換を見つけることが不可能なように、息子もまた、家にいることで自分の時間を作ることは難しかったと思います。

それでも、就職する時も家から通えるところで考えてくれた息子。
しばらくは家に一緒にいてくれたのですが、一年ほど前から自分のやりたいことが見つかったらしく、このまま一人暮らしさえしたことがないのもつまらないと言って、お知り合いに物件を紹介してもらい神戸に住むようになりました。

今は、外国人の方に日本語を教える仕事に就きたいと、その夢に向かって頑張っています。望み通りの職に就けたら、海外への赴任もありえるようです。
家を出たのは、初めての一人暮らしが海外だと何かと大変だろうから、という理由もあったようです。

障害児を授かった親は、きょうだいがいる場合、このきょうだい児問題に直面します。
きょうだい本人は親以上にもっと、常にこの問題が生活のそこかしこにあることでしょう。

【将来は、障害のある子のことはきょうだいが面倒見てくれないと困る】と思っている親の方が少数派でしょうが、だからと言って、いつ頃から何を整えてやればきょうだいが本当に自身の人生を遠慮なく謳歌できるのかと考えてやることは結構複雑で難しいこととなります。

経済的なこと、契約などの権利擁護のこと、預貯金、遺産相続。
成年後見人の選定、各福祉担当者さんとの連絡のキーパーソンという役割。
日頃の生活は一切気にしなくていいとしても、【ここはお願いね】と言ってもいい事項を話し合いで決めておかなければなりません。
全くノータッチ!ならそれはそうと決めておかなくてはならないのです。

『障害のあるきょうだいのことなんて知るか!!』と憎々しく思って好きに生きてくれていれば、実はそれはそれでいいのです。
そう思っていない子ほど、どうやってきちんと離してやるか、自分のことを第一に考えてくれたらいいんだよと伝えてやれるか、難しいことも多いです。


私たちの親子・きょうだい関係の変化は、やっと今、彼が思い切って家を出て、実際に距離を置くところから始まっています。

これからの息子と娘、二人の人生が、二人ともにキラキラと輝くように祈りつつ、私たちにできる準備を着実に進めていきたいです。


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