食べる機能の獲得が難しい子ども❸
先天性の疾患など、食べる機能を獲得することを難しくする理由ですが、そのほかの事でも食べる機能を獲得することを邪魔するものがあります。
「筋の非協調と形態発育の不調和」
安全に美味しく食べるためには、口を閉じる事が大切です。口を閉じる事で、誤嚥を防ぐ体の仕組みを使って飲み込めます。口を閉じる事で、舌の先と上あご前方にあるヒダでつぶれる食べ物を押しつぶしたり、食べ物の固さを感じる事が出来ます。
口を閉じる事が難しいとその様な食べる仕組みを身につける事が難しい事があります。
また、口を閉じることによって、歯並びを保つ事も出来ます。歯は、歯ぐきやあごの骨だけではなく、前歯はくちびると舌、奥歯は頬と舌で、口の外側と内側で押し合いへし合いしながら立っています。
例えば、口を閉じる事が難しいと、上下の口びるを閉じる事が難しく、前歯が外側へ傾いていってしまい、くちびるを閉じる事が難しくなる事があります。くちびるを閉じる事が難しいとスプーンからの取り込み、コップやストローを使いにくい口になってしまいます。
食べることに関わる筋と口の形の不調和によって食べる機能を獲得する事を邪魔される事があるのです。
先天性の疾患などがあり食べる機能を獲得することを難しくする要因についてはここまでです。
参考文献
金子芳洋編:食べる機能の障害、医歯薬出版