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子どもの食べることの心配ごと❶


「どうして丸のみするのかな」
保育園幼稚園職員研修や1歳お誕生月健診、摂食嚥下外来などでお子さんを拝見する時にうかがう心配事をうかがうと丸のみすることをよく聞きます。
丸のみも原因は様々です。

①丸のみで食べる食事を食べている
ペースト状で押しつぶしも咀嚼も必要ない食事を食べていても、丸のみです、と心配なさる方がいらっしゃいます。

飲み込む動作で食べるペースト状の食事は、口を閉じて飲み込むこと、次のステップで覚えていく口を閉じて舌と上あごでつぶせる固さの食事をつぶすことができるための準備のためにも口を閉じて飲み込む動作ができることは大切です。

②離乳中期の舌でつぶせる固さの食事を食べているが、モグモグ舌と上あごでつぶしていない

舌と上あごでつぶせる固さなのにどうして丸のみになるのでしょうか。
固さが合っているのだとしたら、考えられることは、一口の量が多いか、スプーンを口の中まで入れてしまっているか、が考えられます。

舌と上あごでつぶす、といってもつぶす場所は口の前にあります。歯磨きをするときに、お子さんの上あごを見てください。上あごの前歯の裏にヒダヒダがあります。舌の先をそのヒダヒダに押し付けてつぶします。

ヒダヒダの大きさより食物の量が多かったり、ヒダヒダを超えてスプーンが口の奥に入る様なら押しつぶすことができずに丸のみになることが多いです。

あーんと大きく口が開くとたくさん口の中に入れてあげたくなってしまいますが、ヒダヒダより大きくならない様な量で下くちびるの上にスプーンを置いて上下のくちびると下あごをふさぎながら、食べ物を口の前の方に取り込めるようにあげてみましょう。

押しつぶしの動きは、口を閉じて舌先で上あご前方のヒダヒダに食物を押し付けて潰しているときに、外から見るとくちびる両端の口角を左右一緒にキュッキュっと引っ張ってくちびるが薄くなります。食べる機能の発達❸を参考になさってください。

③離乳後期以降の固さの食事を食べているが、丸のみする
噛まずに丸のみしてしまう、どうしてでしょうか。

②と同じ理由のことがあります。噛む動き、をするのにお子さんは押しつぶす動きで固さの見極めをする経験が必要です。たくさん量がお口に入ると固さの見極めができずに丸のみすることがあります。

噛むためには舌で食べ物を口の横にある歯ぐきや奥歯に乗せる動きが必要です。舌の動きは、前後、上下、の動きができる様になって左右、に動かせる様になります。

舌を横に動かす動作が身に付いていないと歯ぐきや奥歯に食べ物を乗せられずに丸のみしてしまいます。
一口の量が多くても舌を横へ動かす動きを妨げてしまうため、噛まずに丸のみしてしまうことがあります。

噛む動きができる様になったか、一口の量が多くないか、口の奥に入れていないか、確認してみましょう。

食べる機能の発達❶からも合わせてお読みになってください。

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