子どもの食べ方、食べる事の心配ごとはどこで誰に相談したら良いのかな
大学院を修了した1997年からは月1回から週1回、臨床の診療科へ異動した2004年からは月曜日から土曜日までほぼ毎日食べる事が難しいお子さんたちにお会いして来ました。
療育センター、病院の摂食嚥下外来やご自宅へ訪問、特別支援学校など拝見する場所は様々でした。
病院の外来には北は青森、南は沖縄からお子さんがいらしていました。保険診療なのに。
どこかしらでみてもらえても、今のお子さんの食べる様子を具体的に説明してもらったり、困りごとに具体的に指導してもらえない、という声も聞いて来ました。
食べる事の難しさについて研究し発表する学会があります。6000人以上集まりますが、子どもについての仕事をしている人はそのうちの1-2割くらいかしらと思います。
発表を聞いていると、何がお子さんの食べる力を獲得する事を邪魔しているのか、を見つけることなく、こんな練習をしました、という発表を見聞きします。
質問すると発表者の多くは答えられない。どの様な根拠でアセスメントしたらいいのかよく理解していないのだと思います。
色々な職種が子どもの食べる事の難しさに関わっていますが、その資格を取るための学校で勉強する機会が少ないと思います。
就職しても教えてくれる人がいないこともあるそうです。
親御さんは、食べる事の難しさである、摂食嚥下障害、という言葉に辿り着けず、どこでみてもらったらよかったのかわからなかった、と仰る方もいらっしゃいます。
生まれた病院で入院中に哺乳の練習をしても退院した後に離乳食の指導や食べ方の練習が出来る病院ばかりではありません。
就学前に通う場所でも、お子さんに応じた食べる練習が出来る場所ばかりではありません。
学校でも食べ方を教えてもらえるところばかりではありません。
食べることに食べ方にお困りの親御さんに、どこで食べる事の相談や指導を受ける事ができるよって知ってもらう情報提供は少ない様に思います。
病院にいると、紹介して頂いたりHPを見ました、と予約を取っていらっしゃるから皆さんどこかしらに繋がれると思っているのかしら。げんに私も病院に常勤の時は遠くから探していらしてくださる患者さん方にお会いして来ましたが、それ以外のお困りの方はどうしているのだろう、という考えにはいたりませんでした。
どこでもどなたでも同じ様に食べることの相談や練習が出来る世の中になって欲しいです。
日々うかがう病院、勉強会で講義するのは、どうやって食べることを評価して対応したら良いかひとりでも多くの方に知っていただきたいから。
実際にお仕事なさっている方々はどのように思っていらっしゃるのか知りたいです。
食べることが難しいお子さんの食べること、どこで誰に相談したらいいのかな、が変わって、ここで相談したらいいのだね、とどこでも言える世の中になって欲しいです。