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小さい頃僕が住んでたあの家

「電車の窓から」という歌い出しのあの曲を知っているだろうか?そう、『赤い屋根の家』だ。
私は、子どもの頃引越しを経験している。一度目は一歳になる前のことらしいが、当然覚えていない。二度目は小学生の頃で、祖母とも一緒に暮らす為の引越しだった。
その家は母にとっては実家で、赤い屋根瓦だった。私達も住むということで、子供部屋が必要になり増築もされている。私にとって「赤い屋根の家」は自分の住む家のことになった。

それから何年か経ち、大きい台風が家を襲った。増築したとはいえ古い家だ。屋根瓦を新しくすることになった。そして、屋根の色は青になった。

「赤い屋根の家」、それは記憶の中だけのものに変わってしまった。あの「赤い屋根の家」にはもう帰れない。あの曲のように、「小さい頃僕が住んでたあの家」という形容が正しくなってしまったのだ。