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根尾昂 「投手転向は正解」と言うべき突出した能力【2023ドラゴンズ個人成績分析 - 07】

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個人成績分析の第7弾は根尾昂選手です。背番号にちなんでます。2022年に投手へコンバートすることになり、2023シーズンは本格的に投手としての道を歩み始めた一年でした。1軍での先発は2試合に留まりましたが、どちらも投手としての価値を大いに示した登板になったと思います。データ数は少ないですが、そんな根尾選手の2023シーズン成績を振り返っていきたいと思います。

本記事のデータは、主にNPB公式および日刊スポーツ様から集計しています。独自集計のデータがほとんどですので、一部実際の数値とずれている場合があるかもしれませんがご容赦ください。もし見つけたら教えて頂けると助かります。



2023シーズン成績まとめ

根尾投手の2023シーズン成績は以下の通り。

根尾昂 2023シーズン主要スタッツ

被打率・被OPSが低く、打者を抑える能力が高いことを十分示しています。一方で課題は与四球が多い点であり、これが原因でWHIP(イニング当たりに出塁させた走者の数)の値も高くなってしまっています。制球面が改善されればより支配的な投球が期待できます。

球種別スタッツ

続いて、球種別に分解して見ていきましょう。

根尾昂 球種別スタッツ

特筆すべきはストレートとスライダーです。データ数が少ないため数字が極端に出ている可能性がある点には注意が必要ですが、どちらもリーグ平均に比べてかなり高いWhiff%(空振り率: 空振り数/スイング数)をマークしています。ストレートのWhiff%が高いということは、ボールのホップ成分が強いのかもしれません。また、スライダーの45%というWhiff%は、髙橋宏斗投手のスプリットや梅津投手のスライダーに匹敵する数値です。ウイニングショットとして信頼の置ける球種と言えるでしょう。

一方、現在ウイニングショットとして多投しているのはスライダーではなくフォークのようです。しかしこちらはリーグ平均を大きく下回るWhiff%となっており、あまり空振りを奪えるボールになっていません。ストレートに近い球速帯のボールなので、小幅に落ちるスプリットやツーシームに近いボールなのかもしれませんね。数値を見る限りでは、打たせて取りたい場面でフォーク、空振りを奪いたい場面でスライダーを選択するのが良さそうです。

対左右別スタッツ

次は左右別に分解してスタッツを眺めます。

根尾昂 対左右別スタッツ

右打者に対して圧倒的な成績を残しています。というか、右打者には一本もヒットを打たれていません。一方で左打者は少し苦手にしているようです。

球種の内訳を見てみると、右打者にはスライダーをメインにしているのに対し、左打者にはスライダーの割合を大きく減らしてフォークをメインにしているのが分かります。

そこで、球種別のWhiff%を、左右別に分けて算出しました。

根尾昂 対左右別・球種別Whiff%

打たれているのは左打者でしたが、空振りを多く奪っているのも左打者のようです。これをどう解釈したらいいか、難しい所です。

一つ言えるのは、右でも左でもスライダーの空振りを奪う能力は変わらず高いということです。このデータからも、やはりスライダーをメインウエポンにしていくのがいいんじゃないかと思います。

シチュエーション別スタッツ

最後に得点圏と非得点圏に分けてスタッツを見てみましょう。

根尾昂 シチュエーション別スタッツ

どちらも被打率や被OPSは変わらず、得点圏でも冷静な投球ができています。一方、注目すべきはこちらも球種割合です。得点圏ではストレートの割合が大きく減り、フォークを多投するようになっています。やはり打たれたくないという意識が配球を変化させるのでしょう。

この配球の変化をどう捉えるべきでしょうか。確かにフォークは打つのが難しい球種ではありますが、相手はこの傾向を把握して打席に立っているでしょうから、抜けたフォークの狙い撃ちや、見逃されてフォアボールが増えるといった危険性も考慮すべきかもしれません。

やっぱりスライダーにもう少し信頼を置いてもいいんじゃないかなと思います。ずっと同じ主張になっちゃってますが許してください。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございました。
根尾投手の2023シーズンは、

  • ストレートとスライダーのWhiff%が高い

  • スライダーのWhiff%はなんと45%!

  • 一方現状はフォークに信頼を置いている様子

  • スライダーをメインに据えても面白いのでは?

こんな感じです。

2023シーズンは投手としての土台作りに注力したシーズンだったと思います。そんな中で、1軍の舞台で投手としての力の片鱗も見せてくれました。キャンプ・オープン戦での仕上がり次第ではありますが、2024シーズンは間隔を空けてでも1年間ローテーションで投げていきたいシーズンになります。投手としての成長が本当に楽しみですね!

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