久保田利伸 「Such A Funky Thang! 」全曲解説
「Such a Funky Thang!」っていう
日本のアーティストのアルバムなのに
「え?これ洋楽じゃね?」って錯覚するほどに
R&B色強めのアルバムがありまして。
中1だった僕は、中古で買ったこのアルバムを何十回と聴いた記憶があります。
一瞬で心奪われましたね。
ちなみに、当時は誰も理解してくれなかった。
30年以上前にリリースされているので
仕方ない部分はあるんですが...
それでも、今こそ色々な人に聴いてもらいたいかな。
とにかくシンセとベースの使い方が最高。
この曲の味はどうやっても他のアーティストは真似できないはず。
本記事では、そんな最強のアルバムを
一曲ずつ紐解いていこうというわけでございます。
その前に概要から。
1988年9月30日に発売された
久保田利伸3枚目のアルバム。
このアルバムで初ミリオンを達成。
久保田利伸史上最も売れたアルバム。
個人的には全アルバムの中でも
1番完成度が高いアルバムだと思ってます。
全13曲で一切の捨て曲なし。
久保田利伸が初めて海外に渡って制作したアルバムでもあります。
Lynn Davisという一流女性シンガーをアルバムの中の数曲でフューチャリングしたことも、
本作の洋楽的なサウンドに更に磨きをかけているのかなと思います。
全体的にシンセをベースとした
エレクトロなサウンドが特徴的です。
① Dance If You Want It
1曲目からファンキーなダンスナンバーをぶち込んでくるあたりさすがだなと。
僕自身ベスト盤を持っていて
この曲自体はアルバムを聴く前から知っていたのですが、アルバムの1曲目として聴いたときの新鮮味がたまらないです。
Rodney Antoon作曲のキラキラサウンドがほんとツボ。
②High roller
ラスベガスにある観覧車の名を冠したこの曲は、賭け事の歌のようにも聞こえるけど
実際人生の全てにおいて通じるような歌詞で、
しかもノリが最高にかっこいい。
「グッとクールに山を張るのさ」っていうフレーズがすごく好きです。
アメリカ色を感じる曲のひとつです。
③ Love Reborn
この曲もベスト盤で聴いて知っていましたが、
本作のLove Rebornはベストに収録されているものとは若干違うんですよね。
前の2曲からは一転。
少しアダルティな雰囲気漂う曲です。
ラストのCan We Dance?に毎回痺れます。
④ Yo Bro!
久保田利伸作品で社会風刺をしてる曲ってなかなかないような気がしますが、
この曲は色々な問題さえも歌で包み込んでしまおうという心意気が感じられます。
最近の彼がX等で発信している言葉を見ても、
本質はこの頃からぶれずに変わってないんだなと感じさせられます。
後年の作品だと「L.O.K.」収録の
「Peaceful Sky」は平和へのメッセージを訴える曲になってますね。
⑤ Merry Merry Miracle
アルバムの中でも飛び抜けて明るいポップなナンバー。
純愛って感じでほっこりしますし、
「大切なのは戻らない今」っていう歌詞がグッときますね。
「na na na na natural♪」
⑥ Such a Funky Thang! ~隕石が落ちた日~
本作の表題にして最強の1曲。
Lynn Davisがセクシーな歌声とセリフで曲を引き立ててます。今でも初めて聴いたときの衝撃が忘れられないですね。
⑦ gone, gone, gone
「シーツの色さえ 素肌に見える」
2人の甘い時間が消えたことを表す
とんでもないキラーフレーズ。
サビの転調で一気に雰囲気変わる不思議な曲。
⑧ すべての山に登れ
前奏のリズム感の良さとラスサビのコーラスとの掛け合いに惚れて何度もこの曲だけリピートした時期がありましたね。
ここまで洋楽よりの曲なのに日本語タイトルなのがまたそそる。
歌詞も聴いててめっちゃ励まされます。
力強い曲だなあと思います。
⑨ Boxer
久保田さんは一体どこで英語を覚えたんや。
冒頭のセリフまじネイティブやん。
ボクサーのように倒れても何度も立ち上がる不屈の精神を持ちたい、そう思わせてくれます。
ゴングの音がいいアクセント。
シンセに隠れがちだけどこの曲はギターも最高にイカしてるんですよね。
⑩ Indigo Waltz
これはいわずと知れた久保田利伸の名作バラード。恋の終わりの寂しさをグッとこらえて別れを受け入れる...
ピアノとコーラスがまた哀愁を誘うんですよね。一度は生で聴いてみたい曲のひとつです。
「Winds」(Gold Skool収録)も合わせて聴くと成熟度が感じられていいですよー。
⑪ Drunkard Terry
このアルバムって元気をもらえたり
切なくなったりと、聴いてて色々な感情を持つアルバムなんですがこれは前者ですね。飲み会の歌です。
簡単に言えば人生なんとかなるから
とりあえず飲もうぜっていう歌です。
アメリカに留学してた時、慣れない環境に戸惑っていた僕を励ましてくれた曲でもあります。
「あー、本当になんとかなるさだわー」と思いましたね。
⑫ 覚えていた夢
最後の最後にちょっと謎の残る1曲。ドラムから始まるイントロに続いて怪しげなシンセのメロディー。
幻想的な夢に囚われたかのような...
フェイクも最高にかっこいい。
「Touch me Kiss me Hold me Baby」
これもなかなか大人な1曲ですね。
⑬ Such a Funky Thang!(Reprise)
表題曲のリプライズ。終わりまで飽きさせない構成ってやっぱりいいですよね。
近年の久保田のアルバムだと冒頭に Fore play、中盤にThe playがスタンダードになってますけど、表題のリプライズで締めるのも好き。
※本記事は、2019年に僕がXのモーメントで投稿していた解説ポストに加筆修正を加えて再掲載したものです。
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