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夜のあしあと 作品紹介

『夜のあしあと』とは?

『夜のあしあと』は猫になって一晩の冒険を楽しむテーブルトークRPGです。

ヒトが寝静まった夜、世界は人知れず魔法に満ちた場所に姿を変えています。

飛び交う風船、奇妙な看板、信号機に灯る不吉な光。
そして時には、夜界からやってくる招かれざる客──ヨナに出会うことも。
そんな世界を気ままに歩き、なわばりを守るのが猫たちの掟。
さあ、一緒に不思議な夜を冒険しましょう。

ここではそんな、気まぐれな猫たちのダークメルヒェンTRPGをご紹介します。



■猫たちのなわばり

実は、この世界は猫が支配しているのです。

イラスト:くじょう

……知らない? 無理もないでしょう。
猫たちは我々の眠った夜に、人知れず活動をしているのです。

この世界は、夜になると魔法が息づく、とっても不思議な領域に姿を変えています。
猫たちは我々ヒトの寝静まった夜に、パトロールをしてはその平穏を保っているのです。
自分たちのなわばりと、お世話をさせるヒトを保護するために。

ほかにも困っているヒトや猫を助けたり、気に入った場所や出会ったキャラクターにあしあとをつけて、自分のなわばりを増やしたりしています。

あなたの家の飼い猫や、近所の野良猫たち。そして中には、夜にだけ現れる不思議な猫たちもいるようです。

今夜は皆さんもその一員となって、夜の冒険に出てみませんか?

■夜の世界

イラスト:もりちか

この世界には、昼と夜の二つの側面があります
昼はヒトが支配しているのに対し、夜はその支配が崩れ、自由な場所に変わります。
常識は魔法によって上書きをされ、甘美で混沌とした場所に様変わりするのです。

薄暗い闇や誰かの見る夢、通りに漂う静けさの中には、夜の魔法が息づいています。
そして、夜はヨナと呼ばれる異世界からの来訪者たちが、我が物顔で歩き回っています。

昼はヒト、夜はヨナの領域です。

ただ、その二つの領域を自由に行き来できる者たちがいます。
それが猫なのです。

団地、広場、ヒトの町をなわばりとする猫たちは、夜になると自分たちのなわばりを夜回り(パトロール)しています。
そしてヨナによって他の猫やヒトが困っている時は、追い払って助けているのです。
我々が安心して目覚めることができるのは、彼らのお陰なのかもしれませんね。

ただ、猫はとてもきまぐれな生き物です。
気持ちに振り回され、寝たり、遊んだりしてしまうこともあるでしょう。

でも大丈夫。猫たちは集会(ギャザリング)というチームを組んで行動します。
一匹が気まぐれを起こしても、皆がいれば大丈夫。

……全員気まぐれを起こしたら?
狩りをしたり、辺りを探険したり、眠ったりしながら、時を過ごしましょう。
それが猫という生き物です。

■猫と生き方

猫には、とても多様な生き方があります。
本作では、その中でも代表的な3種類の生き方をサポートしています。

野良猫

イラスト:くじょう

ヒトの力を借りず、自分の力だけで生きている猫です。中には周辺の色々なヒトたちに世話をさせて生きている者もいます。ヒトは、そうした者を地域猫と呼んでいるようです。

飼い猫

イラスト:くじょう

特定のヒトに世話をさせている猫のことです。他の猫からは軟弱者のそしりを受けることもありますが、自分がヒトに世話をさせてやっており、その面倒を見ていると主張しています。

迷い猫

イラスト:くじょう

本当は猫ではないのですが、夜の魔法のせいで猫になってしまった存在たちです。体の一部、もしくは全部が普通の猫とは違う、不思議なかたちをしています。

■ヨナと夜の魔法

イラスト:しばたゆかり

夜の世界には、ヨナと呼ばれる異世界からの来訪者たちが、我が物顔で歩き回っています。

ヨナは、まるで夜のように魅力的で危険な存在です。
多くは単に楽しみを、残りは仲間を求めて、自分たちの住む、夜界と呼ばれる異世界からやってくるのです。

そんなヨナからなわばりやヒトを守るため、猫たちは夜になると魔法を使うことができるようになります。
野良猫、飼い猫、迷い猫。
出自の違う彼らは異なる魔法を操ります。

仲間と協力しながら、一晩のうちにすべてを片付けてしまいましょう。
夜の帳がすべてを隠しているうちに。

ゲームシステム

『夜のあしあと』では、1回のゲームのことをセッションと呼びます。
PC(プレイヤーズキャット)たちの一晩の冒険を、仲間と一緒につくっていきます。
ここでは大まかなセッションの流れと、いくつか特徴的なシステムについてご紹介します。

■セッションの流れ

セッションは以下のことを行って進めます。

導入フェイズ   事件にかかわるきっかけを描く

夜回りフェイズ  事件を調査したり、誰かと交流したりする

イベントフェイズ シナリオ上、重要なイベントが発生する

戦闘フェイズ   誰かを助けたり、敵を追い払ったりする

結末フェイズ   事件の結末を語る

PCたちは団地や広場、ヒトの町を行き来しながら調査を行っていきます。
例えば飼い猫の飼い主が行方不明になったり。
なわばりに怪しい影がうろつき始めたり。
こことは違う夜界――異世界につながってしまったり。

夜毎に起きる事件に、猫たちは協力して挑んでいくのです。
ただ、猫は気まぐれな生き物です。
そんな猫たちの気分を表すのが【気持ち】です。

■気持ち

PCたちはそれぞれ最大3つの【気持ち】を持っています。

その気持ちによって取れる行動は変わります。
猫の生き方によってなりやすい気持ちが変わったりもしますので、集会の仲間で協力しながら夜の冒険を成功に導きましょう。

■ニャラティブ/禁句

猫たちは、ヒトの言葉がわかりません。
「ごはん」や「おやつ」などの嬉しい経験や、逆に「病院」などのイヤな体験と結びついた言葉を覚えているくらいです。
そのため、猫たちには彼らが知らない、ヒトの持つ概念である【禁句】が存在します。
当然、その【禁句】をしゃべることはできません。


ただ、その概念を猫らしく言い換えて、ほかのプレイヤーに説明することができます。
これをニャラティブと呼びます。
1つの【禁句】について、猫になりきって簡単な言葉で説明してみましょう。
他のPCたちが当てることができれば、猫の社会でも自由に話すことができるようになります。
その時は、ニャラティブに挑戦したPCがその概念に新しい名前を付けてあげましょう。

ちなみに、ニャラティブってどうやるの?という方のために
著者が作成した実例を↓に掲載。遊ぶ前にチェックしてみてくださいね!


●ニャラティブの実例

◆手がかりを調査すると……
ニャラティブは、手がかりを調査したときに発生しがちです。
たとえば、手がかりを調査して入手した【真実】に、以下のように書かれていたとします。
どうやら〈中華料理屋〉の裏に行けば、ごはんにありつけそうです。
しかし、〈 〉でくくられている言葉は【禁句】になり、話すことはできません!

◆【禁句】を共有したい!
こんなときにニャラティブを使います。
仲間たちに【禁句】をどうにかして伝えたいとき、
【禁句】そのものや類語、翻訳語などを使わないようにして、仲間たちにその概念を伝えましょう!
たとえば〈中華料理屋〉だったら……。

◆できるだけ猫らしく!
猫だったらこんな風に話すんじゃないかな? と想像しながら〈禁句〉を表現してみましょう。
ニャラティブには制限時間があるので、どんなことを話すのか、挑戦する前に考えるのも大事です。
ニャラティブに答える側は質問をしてもいいですよ
ただし、直接【禁句】の内容を確認するような質問はNGです!

◆細かいことは気にするな
どのくらいの言葉まで使っていいのかな? と悩んだら、猫の掟の第六戒を思い出しましょう
まずは【禁句】以外だったら何を話してもいいと思ってください。
ただ、ここで猫らしい表現で伝えることに成功したら、GMはPCたちをほめたたえてあげてください。
難しい【禁句】を伝えたPCや、難しい【禁句】をぴったりの表現で正解したりPCは、
ボーナスとして、追加で【やる気】を1点回復することにしてもいいかもしれません。
結末フェイズで猫らしかったポイントをあげるのも忘れずに!


以上、夜のあしあとのご紹介でした!
気になる方はぜひ遊んでみてくださいね!

■書籍情報

『夜のあしあと』
著:河嶋陶一朗/冒険企画局
カバーイラスト:くじょう
判型:B6単行本
定価:1,800円+税

▶遊ぶために必要な情報
プレイ人数:GM(進行役)1人、プレイヤー2~4人
プレイ時間:2~3時間

▶遊ぶために必要なもの
筆記用具
6面体ダイス(サイコロ)4個
シート類のコピー(本書収録)

シート類のダウンロード

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