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285DAY -自分が高3までに読んだSF4選・前編‐

 SF小説と聞くと、どんなものを思い浮かべるだろうか。現在「デューン砂の惑星」の映画が注目されたり、某〇田〇司夫さんがSFについて語ったりしているので、もしかすると、意外とSF小説が身近に感じられることも多いのではないかと思う。

 かくいう自分も大のSF好きということで、今回は自分が今まで読んできたSF小説の中から、読んだ方がいい、おすすめできると思うものを厳選して四つ紹介したいと思う。

 (この厳選は個人の意見です。そのため、「いや選ぶならこれだろ」というような他人の意見は、そうであるべきだと思います。もし自分が選ぶとしたらどれを勧めるか。ぜひコメントにお願いします)

  • 三体 劉慈欣作

 最早このブログで何回も紹介したと思うが、一つ目は「三体」。まず、私は小説に手を出したいと感じる人に、SFの短編小説を薦めている。SFはどんな人も取っ掛かりのいいジャンルだと思うし、短編であれば歯切れも良く、読みやすいと思うからだ。
 そしていざ、SF長編を読みたいと思うなら、あなたはまず「三体」を読むべきだと思う。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%89%E4%BD%93-%E5%8A%89-%E6%85%88%E6%AC%A3/dp/4152098708

 中国発のこの長篇小説は、アジア圏の作品としては初、ネビュラ賞とともにSF文学賞界のノーベル賞とも謳われるヒューゴー賞長篇部門に輝き、全世界では3000万部近い売り上げを叩き出した。
 現在Netflixでは「ゲーム・オブ・スローンズ」のスタッフ陣のもと実写ドラマ化がなされており、今世界で最も注目される作品の一つとなっている。

 テーマは「宇宙文明の侵略」という超絶王道展開であるが、そこから単なる侵略物から掛け離れた次元へとストーリーが移行し、読み切った後にはえもいえぬ達成感がある。そして中国SFであるため登場人物も中国人が多く、漢字圏アジア人としてどこか親近感が持てる作風でもある。

 現在早川書房から「三体」「三体Ⅱ・黒暗森林(こくあんしんりん)」「三体Ⅲ・死神永生(ししんえいせい)」「三体X・観想之宙(かんそうのそら)」「三体0(ゼロ)・球状閃電(きゅうじょうせんでん)」としてシリーズ風に出版されており、ボリュームにも全く事欠かないのでおすすめ。

 何より自分がSFひいて読書に目覚めたきっかけの小説だからこそ本作を勧めたい。

  • ソラリス スタニスワフ・レム作

 ソラリスは、「異質」な作品である。けだしそういう意味において、もっともSFの確信を突いているとも言えるだろう。

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000012658/

 ソラリスは、「三体」と違って玄人向けな印象が強い作品だ。「三体」は王道であるがゆえに、読者も想像しやすい設定であることが多い(最後の方は頭を使うが)。
 だがソラリスは終始一貫して異質な作風を貫き、ワクワクさせるような感じではなく人間の心身のありようを突くような不気味なテイストとなっている。

 作者であるスタニスワフ・レムはポーランドの作家であり、20世紀SF最高の作家の一人とも称される。本作は1961年に発表されて以降、40か国語、或いはそれ以上ともいわれる言語に翻訳され、2000万部を超える販売数を誇っている。

 舞台は未来。有機的で不思議な海に包まれ、異常な軌道を見せる惑星ソラリスでは、数人の研究者による有人探査が行われている。新たに惑星に派遣された心理学者のケルヴィンは、先任の研究者たちの心身ともに変り果てた姿を見る。そこではいるはずのない人間が見えるという怪現象に見舞われていたのだが……というのが大まかなストーリーだ。

 「三体」がつまるところ異星人との接触なのであれば、「ソラリス」は「知性」との接触をテーマにしていると言える。既成概念にとらわれない世界を求めているのなら、それこそソラリスを読むべきだと個人的に思う。



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