190DAY -2022奥多摩見聞録 其の2 -
さて、自分は午後3時くらいの西陽が一番暑い時に奥多摩に到着した。自分は、合宿が始まる前にも前準備で一度珊瑚荘に来ている。その時に会った都会の空気で生きてきた生徒たちの顔が、改めて来てみれば、なんとも面構えが違う気がする。なんというか、精悍な顔立ちというか、大自然において場違いだったものが時が経って噛み合うようになっている。
自分もそうなりたいものだ。自分は二泊三日しかいることが出来ないので、量では到底彼らに及ばない。だからこそ経験によってこの自然に順応した心を体得したいのである。
彼らはすでに川に行って帰ってきた後だった。よほど暑さにこたえたとみえる。無理もない。最高気温三十度後半で、冷たい川に入りたいという欲望には抗えないに違いない。しかしここは勉強合宿の場。楽しんだ後は、そのリフレッシュした体を勉強に使い込む。3時から晩御飯の5時半まで、空きっ腹に響くこの音を感じつつ。
晩御飯は餃子である。松永先生が買ってきたものだ。およそ80個ほど焼いたが、20分もしないうちに皿が真っ白になった。米は十六穀で炊いてある。米には好みでとろろをかけていただく。野菜のカボチャとフルーツトマト、ブロッコリーが、餃子で油ぎった口の中をすっきりさせる。
食事の後は、参加者総出で温泉に行く。平日の奥多摩の温泉。非常に空いていて、ほとんど我々の貸切のようだった。今日まで疲れた体を、温泉の沁みる暖かさが洗い流す。
帰ると自由時間、そして就寝準備をする。繰り返すが、合宿の朝は早いのである。8時か9時には寝る。しかし自身の経験上、奥多摩で合宿するという体験によってアドレナリンが出て眠れない。しかしいくらアドレナリンが出ようが、疲れた体は正直で、すぐに深い眠りについてしまう。
自分もそろそろ寝ることにする。明日も早い。