拝啓、クソガキの俺 調子どう?
25の俺から、クソガキのお前へ
無我夢中で白球を追いかける無垢な少年
そんなお前に言いにくいけどハッキリと言っとこう
プロ野球選手にはなれない、ごめん
送りバントで毎回チームを助けてたお前は、集客で困ってる人を助けるお前に成長してる
授業中に黒板もクラスの可愛い子も見ず、ただ教室のど真ん中にある時計の秒針を見ながら時間が過ぎるのを待ったアホが夢中になれるものを見つけた
仕事から帰ってきて19時半、晩飯と風呂を30分で済ませて20時からマーケティングとインスタ,英語の勉強、そしてアウトプット
時間を忘れて毎日作業して寝るのは毎日1時か2時
そして朝7時には通勤電車で人ごみに揉まれてる
自分で言うのもおかしいけど、ほんとによくやってるよ
これであの時のお前が諦めた夢を
違う形で叶えてあげたい
10歳のお前が今の俺になりたいと思えるようなヒーローになるから
どうか見ていてくれ、時間はもう少しかかりそうだけど
あの日お前が夢に描いた特大ホームランをかっ飛ばす
それもできなかった
芯からズレて内野と外野の間に落ちるようなショボいバッター
それが社会に出て4年目のお前だ
60の俺、生きてるか?
どうせフラフラとやってんだろ?
酔った勢いで過去の自分語りやって
「最近の若い奴は~」とかほざいて、朝起きたらうっすら寒くなるようなことは絶対にしないでくれ
とか捻くれたこと言うんだろ?
知ってるよ、そんなこと俺が1番わかってるわ
60の俺から、現在のお前へ
面倒くさがらずに最後まで読んでくれ
なんとなく社会に入り込んだお前は現実の厳しさを目の当たりにして挫折を繰り返す
でも当時のバカ上司に言われたあの一言で人生を変えれて、人の心臓を震わせるものをお前は見つけた
中指をたてて感謝しろよ
頑張ってないみたいで「頑張れ」って言われるのが
虫唾が走るほど嫌いなお前
「分かるやつにだけ分かればいい」って自分の愚かさにまだ気付いてないだけ
行き詰るたびに自分探しの旅って?
紛れもなくお前はそこにいてる
虹を見たけりゃ、少しの雨くらい我慢だ
キズ跡は隠すな、それがお前なんだ
前にコケてしまいそうなくらいの強い力で背中を押してやるからな
花、まだ咲かなくてよかったな
咲いた後は枯れるだけだから
って言葉に見るも無残に裏切られたあの頃のお前を裏切ってやったぞ
過去のお前が俺を見たように
未来の俺がお前を見てる