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おばさんだけど、シャーマンです: 龍神と私の物語 : 第21章

第21章  旅の準備

「最近、私、沖縄にしょっちゅう行っているのよ。沖縄では先生に付いてユタの修行をしているの」メールの続きにはこう書いてあったの。
「え?ほんとに?ユタって血族で継いで行くものでは無いの?不思議。一体誰?」  

そのメールはお兄ちゃんの友達のママ、M子さんからだったの。 子供達のつながりから仲良くなって、私のスピリチュアル活動を理解している数少ない友人。有名なスピリチュアルの先生を教えてくれたり、面白い本を紹介してくれたりと、仲良くしていたのだけど、このところ彼女は忙しいのか、1年ぶりぐらいのメールだったわ。「彼女自身に霊媒的な要素があったのかしら。それは聞いた事がなかったと思うなぁ」などと短い時間でいろんな事を考えていたの。
そうだ、彼女はスピリチュアル・ビジネス・コンサルタントの会社で秘書をしていると言っていたはず。「あなたもうちの社長のコンサルを受けたら?」と何度かおすすめされたわ。それが何か関係するのかしら、と、思いながらそのメールを開けてみたの。
「お久しぶり。元気でしたか? 私は最近、沖縄にしょっちゅう行っているの。沖縄で先生に付いてユタ修行をしているのよ。」驚いている私は、とにかく聞きたいことを詰め込んでみたの。
「M子さんって、沖縄出身だっけ?ユタの家系なの? どうして、その先生と知り合ったの? 」
「嫌だァ、知ってるでしょ?私は九州の出身です。社長のアシスタントとして、沖縄での開運ツアーに何回も同行してて、その時に案内してくださっていたのがこの沖縄の先生だったのよ。社長の事は話したわよね?」
「へぇー、面白そうなツアー。 最近、私も沖縄が気になっていたのよ。例えば、この先生に私の行きたいところを案内してもらうことは出来ないかしら」
「いつ行く予定なの? 聞いてあげるけど……。 それより私も来月沖縄へ行くから一緒にいかない?」
私はどうしても あの星空が気になるので、そこの島に行けるのなら、と伝えたら「先生に聞いてみるわね、少し待ってて」という返事だったの。
後日、その島へもご案内するので、良ければ他の友人も誘っては?という提案でした。

私は若い頃に1度沖縄に行ったことがあるけど、今回の旅で、この美しい星空の島に行くことを考えるだけで胸が高鳴ったわ。あの星空の下で、どんなエネルギーが私を待っているのだろうか。M子さんの言葉の中に、どこか運命めいたものを感じた私は、旅の準備に心を躍らせながらも、不思議な緊張感が胸を締めつけるのを感じたの。
久しぶりの沖縄旅行を今後の人生で悔いを残さないように、と考えながら、行ってみたい場所をピックアップしたり、一緒に行ってくれる友人を探したりし始めたの。
以前、沖縄に行ったのは 大学の時の卒業旅行で、大学の友人と3人で 石垣島、竹富島、西表島などを見に行き、那覇でも数日過ごしたのだけど、まだまだ今のような簡単に行ける観光地ではなかったのよ。そうそう、この大学の時の旅行の後、東京に戻ってから熱を出したの。暑さに当たったのかなぁ、なんて思っていて、あまり無理な行動は取らないようにしなきゃと思ってたの。
M子さんに どんな旅程になるのか聞いて、車を運転してくれる人が同行した方が良いことが分かり、友人を誘ってみたらご主人が運転がてら着いてきてくれる話になったのよ。すごく心強かったわ。

往復の飛行機やホテルを予約して、気持ちはますます高鳴っていったわ。ただ残念だったのは あの星空の島には宿泊施設がなくて 日帰りしかできないということだったの。これでは、私の目的は達成出来ないかもしれないという不安に苛まれたのだけど、なぜか、その気持ちを払拭するように「大きな変化を持てるかもしれない」という期待が心の奥底から湧いてきたの。

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