ラ症群との3年間
2011年
3年A組 春 寿男
この3年間を振り返ると、色々なことがありました。しかし、やはり、学生生活で思い出深いのは、ラッキースケベ症候群(通称「ラ症群」)に掛かってしまった事です。
ラ症群は原因不明で、治療法も確立されていない病気です。入学直前にこの奇病に罹ってしまった私は「朝礼中に調子の悪くなったクラスメイトが倒れかかってくる」のをはじめとして、1日1回は必ず、女性の胸部に触れることとなってしまいました。
しかし、一定年齢以上の女性というのは基本的にブラジャーをしています。同じクラスの女生徒や、女性教師は、私の病気を知っているため、大概、ガチガチにワイヤーの入ったブラか、鉄板のような感触の何か(コルセットのようなものでしょうか?)しており、大変固い感触ばかりを1年ほど味わう事になったのです。
この病気では、クラスの女子や教師の皆さんに大変迷惑をかけましたし、自身も苦労しました。しかし、私の気持ちをよそに、2年生の春、病気は進展し、ラッキースケベの対象が男性にも広がってしまいました。
最初は悩みました。それは、「迷惑をかける相手が倍になってしまったこと」「男性の局部を触りたくないこと」、その2点がやはり大きかったと思います。そう、女性の場合は何故か胸部に触れるラッキースケベばかりだったのですが、男性の場合は、局部に触れるラッキースケベばかりだったのです(胸部にも触れていたかもしれません)。
ただ、男子の場合は「蒸れるから嫌」「まあ別に男同士だし」といって、プロテクターやファウルカップをする人ばかりでなかったので、ふぐりの柔らかさを2年間味わう事になりました。
このように、固かったり柔らかかったりはありますが、奇病の私をのけ者にする事なく、暖かく接してくれた皆さんや、学校には感謝しかありません。
この奇病も、先日、治療薬の治験が始まったとニュースがありました。私が社会に出る頃には、治療方法が確立されることを強く期待しています。