第103回全国高等学校野球選手権大会総括

こんばんは。ドラみです。
昨日決勝が行われた今年の夏の甲子園について、総括したいと思います。


第103回全国高等学校野球選手権大会は智辯和歌山の優勝で幕を閉じました。



〈ざっくり試合の振り返りと両チームについて
試合は1回表、智辯和歌山が智辯学園先発西村くんの立ち上がりを攻め、甘くなった球を逃さず4点を先制。対する智辯学園は2回裏に2点を返すと、4回裏には無死1,2塁のチャンスを作ります。しかしこの場面でマウンドに上がった中西くんが好リリーフで同点を許しません。その後、智辯和歌山は6回以降毎回得点、守りでは大西くんの好守などもあって9-2と圧倒し、21年ぶりの頂点に立ちました。

智辯和歌|400001121|9
智辯学園|020000000|2


智辯和歌山は2回戦から登場の予定だったこと、そしてその試合が不戦勝になったことで智辯学園より2試合少ないという日程的なアドバンテージがあったことは間違いないでしょう。
しかし、中西くん伊藤くんの2枚看板を中心とした豊富な投手陣、ここぞで取りきる勝負強い打力や集中力は素晴らしかったです。
守備面では決勝戦の4回裏にあったように、記録には現れませんが無駄な進塁を許すなど、大会前から不安要素であったように見えました。しかし、ランナーが2塁にいる際は二遊間を閉めるなど、できることはしっかりとやっていた印象です。投手力と打力でプラスの力を出せるからこそ割り切れる部分があったのかもしれません。
また、県内に市立和歌山の小園くんがいたことも大きかったと思います。県大会決勝で小園くんを打ってきた打力は甲子園でも健在で、ストーリー性を含めて2年前に現ヤクルトの奥川投手を打つために鍛えた打線で勝ち上がり、その奥川投手から決勝で5点取って優勝した履正社のようにも感じました。とにかく強かったです。

智辯学園は、本命不在と言われた今大会の中で一番存在感がありました。左右の2枚看板と強力打線、守備の個人技術はもちろん、カバーリングやバックアップもしっかりしており、走塁面でも判断が良くかなりレベルの高いチームだったと思います。
準々決勝の明徳義塾戦は苦しい試合でしたが、9回裏に逆転サヨナラ。明徳義塾の馬淵監督も仰っていたように、無死1塁からのバスターがポイントだったと思います。初回からバントシフトで内野が前に来ていたらバスターも、という指示が出ていたらしいですが、あの場面であの判断を選手自身で行って成功させた一打は今年の智辯学園の力を見せつけたような一打でした。


〈大会の振り返り
緊急事態宣言などの影響から練習や練習試合を例年よりこなすことができない中で、ミスが少なく、ミスが出てもそれをカバーできるチームが多く勝ち上がっていったように思えます。バックアップやカバーリングはもちろん、声掛けや状況判断がしっかりできており、これはやってはいけないということはしないようなチームです。

個人的に印象に残ったのは石見智翠館です。
守備も走塁も鍛えられていてソツがなく、状況判断等も優れており、ノーエラーで2勝をあげました。準々決勝で智辯和歌山に1-9で敗れてしまい、エラーも2つ出てしまいましたが、いずれも得点には繋がっていません。フェアグラウンドではなくファールグラウンドを通って守備に就く意識も素晴らしく、エースの山崎琢磨くんのように相手を見て間合いや足の上げ方を変えて投げられるピッチャーは個人的にとても好きでした。

その他にも、盛岡大附の外野手が初回の投球練習中にフェンスにボールを投げてクッションボールの確認をしているシーンが中継で映っていたのが印象に残っています。直後の1回表にフェンスに達する打球が来たものの、無駄な塁を与えることなくしっかり処理できたのは準備の賜物でした。
わんこそば打線と称されて打撃に目が行きがちでしたが、元々守備の意識も高いチームで、それはこの世代でもしっかり意識されていました。

大会としては2校が辞退、そして7度の順延と感染症だけでなく天候にも悩まされました。
「良かった」で終わらせることはできませんが、その中でもなんとか開会式から決勝・閉会式までの日程を終えられたことは、高野連や阪神園芸の方をはじめ、多くの方々のご尽力あってのことだと思います。感染症+度重なる順延という誰も経験したことがない運営はとにかく大変だったと思います。ありがとうございました。お疲れ様でした。


〈おわりに
これで夏が終わり、全校が新チームになります。U-18や国体がないのはとても寂しいですが、この大会だけでも下級生が多く活躍しており、既に秋が楽しみです。

秋の予選でも出場を辞退することになった学校もあり、まだまだ普通の高校野球に戻りそうではないですが、秋季大会から神宮大会、そして来年春夏の地方大会と甲子園が無事に開催されることを祈りながら、今回のnoteは終わりたいと思います。

読んでいただきありがとうございました。

(来年の甲子園は観に行けるといいな。)



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