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二重手術〜埋没法徹底解説

「形成外科医も知っておきたい二重手術の基礎知識」

 美容外科で広く行われる二重埋没法。その手術は、美容目的だけでなく、睫毛内反症手術にも応用されることがあります。
 本記事では、形成外科専修医や美容外科のなりたての方々に向けて、二重埋没法の基本的な術式を分類し、図を用いてわかりやすく解説します。埋没法は、クリニックごとに手術名にカタカナの複雑な名前がついていますが、中身はシンプルです。美容外科に対する基礎知識を習得することは、患者さんの質問にもしっかり応えられる医師となるために役立つでしょう。




睫毛内反症と埋没法の関連

一般の形成外科では、二重を作るための埋没法は保険適応ではないため、通常の診療の範囲では行うことは少ないです。

逆さまつげ(睫毛内反症)の症例に、上眼瞼の内反がありまつ毛が角膜にあたって痛い時や角膜を傷つける可能性があるときに、睫毛内反症手術をします。
この睫毛内反症手術のうち縫合法というのが、二重をつくるための埋没法とほぼ同じ内容になります。

睫毛内反症の症状は日本人において子供の頃は約46%で認めます。有病率は、1歳では24%、5-6歳では7%、13-18歳は2%となり、年齢が上がるとともに自然に睫毛内反症は改善します。
参考:Noda S, Hayasaka S, Setogawa T. Epiblepharon with inverted eyelashes in Japanese children. I. Incidence and symptoms. Br J Ophthalmol. 1989 Feb;73(2):126-7.

睫毛内反症であっても目の不快感などの症状がなければ、大人になるまで手術をしない人もいます。形成外科の医師が保険適応で埋没法とおなじ手術を経験する機会は少ないです。

ただ、自分が形成外科ですと言ったときに、知り合いなどからも二重の手術について聞かれたりすることも多いと思います。
美容外科の知識ではありますが、一般の形成外科でも基本的な知識は身につけておく必要があります。

ここでは、形成外科の専修医の先生向けに基本的な知識を解説したいと思います。
これを読んだからと言って、手術が出来るようになるわけではないのでご注意ください。

埋没法の手術ポイント

埋没法の手術の方法について
手術のポイントとしては
①糸をかける位置: 瞼板  or 挙筋腱膜 のどちらか?
②糸玉を作る位置: 皮膚側 or 粘膜側
③糸の止め方: 点止め or 線止め
(④線どめの派生:粘膜側を取る幅によって、3角 or スクウエア法)
これらの組み合わせと、糸を何本使うか、糸が皮膚を何ヶ所通過するかで手術のバリエーションがあります。クリニックによって、名前が違ったり、同じクリニックの中でも複数の術式やオプションがありややこしくなるのはこのためです。

①〜④のポイントに分解して考えると、クリニックの複雑なカタカナのメニューが理解しやすくなると思います。

どの方法が二重が長持ちするかに差があるかは私自身比べたことがないのでわかりません。
(症例の数がある場合は、比較した論文を書くと、かなり需要はあると思います。)

まず手術を始める時は指導医のやり方に従い、医師のなれたやり方でやるのが良いとは思います。

手術のポイントを順に解説していきます。

①糸をかける位置: 瞼板  or 挙筋腱膜 

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