「英語の学び」について考える Part 6 それでは私立中高一貫校ではどうか④?
ご好評のシリーズ、「英語の学び」については、これからも時々お伝えしたいと思います。今回は、このシリーズの最終回、として、生徒様目線から、述べたいと思います。
大学が上にあるかないかは別にして、小学受験から、あるいは中学受験から入学した生徒様はどうなるか。これは、今も昔も変わらないのですが、
結論から言うと「内部進学者より、外部からの受験組が圧倒的に優秀!」
なのです。
私が高校生だった頃、同じ駅沿いにあった、私立T高生がよく言ってました。「内部進学の奴らなんか、バカだからなぁ。」って。そのT中学だって簡単に入れるレベルではありません。しかし、受験組が強いのです。その中学生は、電車の中で「高校A級問題集」とかを見ていましたが。
これは私立に限らず、国立にも言えることです。G大附中は大変歴史があり、教授陣も研究者なので立派なのですが、小学受験組は中学受験者に全く叶いません。しかし、上の高校に上がる為には、毎日科目ごとに沢山の課題が出て、その内申と難関高校の入試の比率が1対1なので、毎日課題提出に四苦八苦です。でも、上位数十人しか高校には進めません。生徒は毎日、必死!です。おまけに文科省の「スーパーサイエンスハイスクール」指定校だったりして、研究も熱心にやらされます。でも、実力は付きます。
しかしながら、私立は、小学受験で入れば中学で、外部からの中学受験生に圧倒されてしまうのです。その上英文法は中学で簡単に終わらせてしまうので、高校進学時に外部からの受験生が入ると、もうついて行けなくなります。
しかも、高校に入った途端に、動名詞や不定詞、現在完了が解らない内部進学組は、大学受験並みの「完了の動名詞」などと基礎ができていないため、訳が解らなくなってしまいます。授業進度が速過ぎて、高1の中間試験は悲惨なものとなりがちです。そう、生徒様も頑張っているのに、過剰に難関で。
かつて、受験英語とネイティブの自然な英語に乖離があると触れましたが、教員が昔習ったことを前提に教えているために、絶対会話では出てこない英文法を強制されるのです。その上、小学校受験の内部進学組は中学受験組に追い越され、その後高校受験組は更に雲の上の存在になってしまうのです。
以前ネイティブと話していて(英会話学校のインストラクターですよ!)「未来完了があるなんて、日本に来て、初めて知ったよ!」と笑っていました。言語は生き物です。下手すると百年前の英語を、押し付けられる、という覚悟が、私立中高一貫では求められることを、知っておいて下さいね。
「劣等感」は、その後の人生に良いものではありません。