いじめられたら?Part 3 「いつか仕返しをしたい」・・・これではいじめは無くならない
一般に、小学校の現役の小学生を対象に質問紙調査(アンケート)をするのは、大変校長は勇気が必要ですし、教育委員会の目もあるので、かなり難しいことなのです。しかし、この世田谷区の小学校長とは、かなり建設的な議論をした関係ですので、O.Kが出たのです。
大学生と比較することを考えていたので、調査票の設計は同じにし、仮説として「いじめは無くならない」ということを検証しようと試みました。
小4から小6までの児童を対象とした調査結果で驚くのは、「いじめられたとき、どう思ったか?です。特に男子で「いつか仕返しをしたいと思った」が最も多かったのです。これでは、いじめられっ子がいじめっ子に転身することを意味しているので、いじめは復讐として繰り返されるだけで、放置していれば、無くなることはない、ことを意味します。
「いじめは無くならない」と回答したのは、学年が上がるほど増え、また「いじめをした経験」があるほど「いじめられた経験」が多い。小学生で「いじめた経験」がある生徒の8割が「いじめられた経験がある」としており、大学生でも66.8%が「いじめた経験がある」層では「いじめられた経験」がある、と。これだけでは、どちらが先か断言できませんが、誰でもいじめの加害者と被害者、いずれにでもなり得ることを示唆しています。
また、無視できないのが「いじめ」を見ていながら「何もしなかった」傍観者の存在である。その理由は「後で関わりたくなかったから」「自分もいじめられると思った」から何もしなかったというのが各々4割、3割。「いじめを止めさせるように何らかの行動をした」は3割未満で、いじめの「抑止力」が働くことは難しいことを意味します。