あなたにとっての理想の医師像は?[小論文練習用]
私の理想の医師像は患者に自由な時間を与えられる医師になることである。
なぜなら、自由な人生の時間こそが患者が欲しいと考えているものだからである。そのためには、患者にも治療による人生の時間を伸ばす効果をうまく伝えられる医師にならなければならない。
例えば、昨今槍玉に上がる話題に延命治療がある。脳梗塞を起こしてしまい、体が満足に動かせなくなってしまい、意識も朦朧としている時、延命治療を続けることを患者は望むだろうか?多くの患者は断るだろう。
これを断る理由は人生の時間を自分のために使えないからだろう。ただ生かされているだけで、生きているとは感じないのだろう。
このことを通常の医療についても置き換えて考えてみたい。
慢性疾患の治療を外来で診療している先生方の話を聞いていると、患者が診療に来なくなるという話を多く聞いてきた。病院に通うのが面倒になったのだろう。これについて深く考えてみたい。
なぜ面倒になったのかというと、「病院に通う時間で得られる人生の自由時間<病院に通うために消費する時間」という関係が患者の頭の中に出来上がったからではないだろうか?100円のお小遣いをもらうために1000円の交通費をかける人はいないだろう。
しかし、実際の治療の効果を考えると「病院に通う時間で得られる人生の自由時間>病院に通うために消費する時間」であることが大半である。問題は患者が病院に通うことで得られるメリットをうまく理解させることができていないことである。価値を理解させることができれば、病院に通い続けてくれるのではないだろうか。
医学の知識を持っていない患者に、治療のメリットを本当の理解させるのは非常に難しいことである。しかし、そこをうまく伝えることが医療に携わる医師の責務だと考える。自己満足で終わらず、患者に治療の意味を伝えられるように努力していきたい。