泥医になる前に確認するべきこと

最終更新2021.1.3

※この記事はとRが現在進行系で考えていることです。(研修医のときの文章とは別です)

※医学生、初期研修1年目までの方を想定して記載しています。

---以下本文---

みなさん、おはこんばんちは!

とR医師です!


Twitter上の論争には参加しないことにしていますが


研修医時代のブログを公開したことにより

複数の医学生/研修医の方からDM頂いておりますので

【専門医を取得するべきか】

に関して述べていこうと思う。



とR自身は医師免許と研修修了証以外の資格を持たない泥医である。


専門医論争をするのであれば

非専門医についても定義する必要があるが

レールに乗る(=専門医を取得する)のが一般的ということから考えると

非専門医についてはその他大勢という、雑多な状態であり曖昧になりがちだ。



そのために、今回は単に進路選択という観点から見てみよう。

まず、【絶対に専門医に向かない人】が存在していて

逆に【専門医以外にも博士号など取得が必須】な人も存在している。

こういった人たちは進路選択で迷うことがないのである意味【楽】である。


例えば前者は

【極度のコミュ障で人と目を合わせられない、患者と会いたくない】などと言うタイプの人物

後者は

【何が何でも教授になりたい】などと言うタイプの人物

である。


おそらく、専門医論争に耳を傾けて進路を迷ってしまう人は


その【中間】に居るものと思われる。


そして、今後何らかの環境変化が起こった際に真っ先に影響を受けてしまうのがその中間の人達である。


現在はCOVID-19による医療の逼迫や新専門医制度の影響で

保険診療で真面目に生きていく魅力が薄れ

自由診療や泥に流れる傾向が

特に2,3年目までの先生の中で顕著だ。


一旦脱線するが

いま5~7年目以上の先生方の間では

超ハイパー志向が強く

【当直をたくさんさせてくれるXX病院で研修した後、医局に入って専門にとって...】

などと言っていた人が学部の90%を超えていたのである。


毎年初期研修のマッチングを観察しているが

2016,7年あたりで明らかに潮目が変わって

ハイポ、QOML病院の人気が高まった。

新専門医制度の内容がはっきりと決まってきた頃である。


そうなると、入学時点でハイポ志向が増えたというより

先輩や大学経由で聞く情報により

ハイポが【現状で】有利

と判断した人が増えたと考えるのが妥当性が高い。


【現状で】というのが大事で

【真面目な医師】が泥医をバカにしていて

相対的に泥医がブルー・オーシャンという状況である。


若い先生の進路選択が完全競争市場であると仮定すれば

比較的早期にブルー・オーシャンが霧散する可能性が高い。


一般的な生き方(入局、専門医取得)と同程度にレッド・オーシャンになるのであれば

互助会としての機能を持つ医局の後ろ盾がなく

専門医などの判りやすい肩書やそれに付帯する診療能力がない人は

長い医師人生におけるキャリア面で致命的な影響を受けることが予想される。


というのは、ドロップアウトというのは基本的に一方通行なのである。

仮に読者諸君が採用側の人間だとして

初期研修終了後暫く泥医として過ごしてきた先生が応募してきた場合

十分に倍率が高かった場合に、その人を採用するということはあり得るだろうか?

ほぼ間違いなく、「ない」だろう。

経歴がきれいな人、若い人のほうを採用したいのである。


もちろん、現状泥医に対する仕事のオファーが沢山あるので

わざわざ元の道に戻ろうという人はほぼないだろうが

【なんとなく泥医になったほうが有利だろう】

くらいの考えの人は、将来その優位性が消えた場合の戦略について再考したほうが良い。

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