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COVID-19は感染して発症する回数の増加に伴い重症度が上がり合併症の増えるリスクが高くなる

COVID-19は何回も発症するとそのたびに予後が悪くなる、というデータが出ました。まだプレプリントです (7-24-2022)

対象は 米国軍人、期間は2020年3月1日から2021年9月4日の間と、オミクロン流行の前になります

参加者は次のとおりです
SARS-CoV-2初感染のコホート参加者は257,427人
SARS-CoV-2再感染(2回以上の感染)の参加者は38,926人
SARS-CoV-2陽性記録のない参加者は対照群として539万6855人

SARS-CoV-2再感染の参加者は38,926人には
2回感染者 36,417人(12.29%)
3回感染者 2,263人(0.76%)
4回以上感染者 246人(0.08%)

初感染者、再感染者(2回以上感染)、および非感染対照群の人口統計学的および健康状態を表に示します


再感染がリスクを高めるか?


再感染者と初感染者を比較して,全死亡,入院,および特定の転帰のリスクを調べる解析が行われました

その結果、初感染者と比較して、再感染者は全死亡のリスクが高く(ハザード比(HR)2.14;95%コンデンスインターバル(CI):1.97、2.33)、全死亡の過剰負担は6カ月時点で1000人当たり23.8人(95%CI:18.9、29.2)(すべての負担推定は過剰負担で6カ月時点での1000人当たりの値)(であると推測されています。再感染者は、入院のリスク(HR 2.98 (2.83, 3.12); 負担 95.47 (89.17, 102.03) )、SARS-CoV-2感染の少なくとも一つの後遺症を持つリスク(HR 1.82 (1.78, 1.88); 負担 196.2 (186.57, 205.87) )も増加しました。以上、下のグラフになります

この結果は、初感染者と比較して、再感染者の再感染のリスクと過剰負担があることを示しています。並べると次のようになります
(HR 2.49 (2.34, 2.65); 負担 50.35 (45.64, 55.32) )、およびいくつかの肺外臓器系における後遺症のリスクの増加を示したが、それには
心臓血管障害(HR 2. 36 (2.23, 2.51); 負担 49.83 (45.07, 54.86))
凝固・血液障害(HR 2.22 (2.05, 2.41); 負担 25.93 (22.51, 29.6) )
疲労(HR 2.4 (2.22, 2.58); 負担 33.39 (29.41, 37.65) )
胃腸障害(HR 1.69(1.58, 1.8);負担 27.45(23.24, 31.93))
腎臓障害(HR 1.70(1.45, 2.46); 負担 14.31(10.69, 18.34) )
精神障害(HR 1.97(1.9, 2.04); 負担 121.05(13, 129.31))
精神科の疾患(HR 1.87(2.9, 4.5); 負担 121.05(113, 129. 31))
糖尿病(HR 1.62(1.49,1.76); 負担 21.98(17.56,26.75))
筋骨格系障害(HR 1.29(1.2,1.38); 負担 12.97(9.04,17.17) )
神経系障害 (HR 1.39(1.32,1.46); 負担 36.02(30.16,42.12))

初感染から再感染までの期間が、再感染と全死亡、入院、および少なくとも1つの後遺症のリスクとの関連を修飾するかどうかを検討した解析では、乗法的尺度での相互作用は認められませんでした

次に、再感染前のワクチン接種状況(未接種,1回接種,2回以上接種)に基づいて解析したところ,再感染は初感染と比較して,未接種,1回接種,2回以上接種者において,全死亡,入院,少なくとも1つの後遺症,各臓器の後遺症のリスクが高くなっていました(下のグラフ)

ワクチン未接種の人は一度も感染しなければ良い、ということです

SARS-CoV-2再感染者における後遺症のリスクと負担(2回目感染前のワクチン接種状況別)


SARS-CoV-2再感染の後遺症リスクが,再感染の急性期と急性期以降に存在するか?


再感染時から180日後までのリスクと負担を30日単位で検討する解析を行った結果、初感染者と比較して,再感染者は,再感染後の急性期および急性期以降に,全死亡,入院,少なくとも 1 つの後遺症のリスクと過剰負担が増加していました

負担は、再感染時から30日後のフォローアップにおける1000人当たりで示されています(下のグラフ) 時間が経つとともにリスクが減少するということです

SARS-CoV-2再感染の急性期および後急性期における全死亡、入院、および少なくとも1つの後遺症のリスクと負担(1回の感染に対して)


臓器別後遺症では、急性期にはすべての臓器でリスクと過剰負荷が増加し、そのリスクと負荷は再感染後の急性期にも持続し、再感染後6カ月時点でもほとんどの状況で明らかでした。負担は、再感染時から30日後のフォローアップにおける1,000人当たりで示されています (下のグラフ)


SARS-CoV-2再感染と1回感染の急性期および後期における臓器別の後遺症のリスクと負担

次に、複数回感染した人の累積リスクをよりよく理解するために、最初の感染の急性期後の6カ月間に再感染がなかった人(1回のみ感染)、2回感染した人、3回以上感染した人について、非感染対照群と比較して、あらかじめ指定した一連の転帰のリスクと累積リスクおよび負担が推定されました

感染回数の増加に伴い、健康上の有害事象のリスクが増加するという、段階的な関連が見られました

ここでも一度も感染しないのが最強である理論は証明されています

非感染対照群と比較して、1回だけ感染した人は、少なくとも1つの後遺症のリスクが増加しました(HR 1.35(1.4, 1.36); 負担 84.13(82.03, 86. 24))、2回感染した人ではリスクが高く(HR 2.11(2.07, 2.15);負担 234.58(227.08, 241.92)、3回以上感染した人はリスクが最も高いという気の毒な結果になりました(HR 3.00(2.71, 3.31); 負担 362.82(326.37, 398.08))
2回感染者と1回目の感染者の2重比較では、2回感染者は少なくとも1回あたりの後遺症のリスクが高いという気の毒な結果になりました(HR 1.57(1.53,1.60); 負担 150.36(142.95,157.79);
3回以上の感染者と2回のみの感染者の2重比較では、3回以上感染した者は少なくとも1回の後遺症リスクが高いという気の毒な結果になりました(HR 1.42(1.28,1.57); 負担 128.33(91.88,164.31)).臓器別の全死亡、入院、後遺症の検討でも結果は一貫していました(下のグラフは元論文のFig 5がわかりにくかったので改変してあります)

SARS-CoV-2感染1回、2回、3回以上の人の累積リスクと後遺症の負担の比較

次に、SARS-CoV-2感染(再感染に関係なく)が疲労のリスク(COVID-19の特徴的な急性後遺症で、先行証拠に基づき正の関連が予想される)と関連するかどうかを検証するため、正の結果の対照分析が実施されました
結果は、非感染対照群と比較して、SARS-CoV-2感染者は疲労のリスクが高いことが示されました(HR 2.02(1.92-2.13) )

最後に、一次解析と同じデータソース、コホート構築プロセス、共変量選択と定義(事前定義された共変量とアルゴリズムで選択された高次元の共変量を含む)、共変量バランス法、結果の解釈を用いて、偽の関連性が存在する可能性を検証するために一連の負の結果コントロール解析が実施されました。アトピー性皮膚炎と新生物のリスクを検討した結果(負のアウトカム対照)、有意な関連はありませんでした(HR 1.00 (0.89, 1.13) および 1.02 (0.97, 1.06))

結論

初感染者257,427人、再感染者38,926人、非感染者5,396,855人を含む5,693,208人の調査において、初感染者と比較して再感染者は全死亡、入院およびいくつかの特定前のアウトカムのリスクが上昇していることが明らかにされました。このリスクは、再感染前にワクチン未接種であった人、1回接種であった人、2回以上接種した人を含むサブグループにおいて明らかでした。リスクは急性期に最も顕著ですが,再感染後の急性期にも持続し,ほとんどの後遺症のリスクは6カ月時点でも明らかでした.非感染の対照群と比較して、反復感染の累積リスクを評価したところ、全死亡および事前に特定した健康アウトカムのリスクと負担は、感染回数に応じて段階的に増加していました(すなわち、リスクは1回感染した人で最も低く、2回感染した人で増加し、3回以上感染した人で最も高くなる)

全体として、再感染は、再感染の急性期および急性期後の段階において、全死亡および健康上の有害事象の自明でないリスクを追加することが示されました。この結果は、再感染がもたらす結果を強調し、SARS-CoV-2の再感染を防ぐことが重要であることを示しています

つまり一度も感染しないのが最強であるということです
一度も感染しないのであれば、世界にウイルスなんて存在しない!!と言っていてもなんの問題もないです

http://fujita2011.livedoor.blog/archives/51843828.html



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