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新型コロナウイルスmRNAと胎盤

こんばんは。今日は中秋の名月、お月見ですね

さて、新型コロナウイルスmRNAワクチンはこの秋もまだ現役のようです

これまでmRNAワクチンは

✅ 女性の卵巣に到達する
✅ ごくごく少量ですが血液乳汁関門を通過して母乳に出る

ことが明らかになっています

今回は、妊娠中にどこまでワクチンが到達したかについて、今年の6月に査読を通った症例報告の論文をご紹介します

この研究には 2 人の妊婦さんが参加しました

✅ 最大の結論は、2人とも、胎盤組織にワクチンmRNAが検出されました

証明方法は、BNT162b2およびmRNA1273ワクチン配列をターゲットとするRNAscopeを使用したin situハイブリダイゼーション(ISH)です

お二人の妊婦さんを、失礼して妊婦1、妊婦2と書きます

胎盤組織にワクチンmRNAは存在するか?

A、Bは妊婦1の胎盤組織にRNAscope プローブ S エンコード mRNA 1273-C1 を使用した結果です
Aで脱落膜の中にモデルナのワクチンmRNAが赤く陽性シグナルがでています
Bで絨毛の中にモデルナのワクチンmRNAが赤く陽性シグナルがでています

C、Dは妊婦2の胎盤組織にRNAscope プローブ S エンコード BNT-162b2-C1 を使用した結果です
Cで脱落膜の中にファイザーのワクチンmRNAが赤く陽性シグナルがでています
Dで絨毛の中にファイザーのワクチンmRNAが赤く陽性シグナルがでています

シグナルは陽性です。両社のmRNAワクチンは共に胎盤に到達していました

スパイクタンパク質は胎盤に発現していたか?


最初に、このデータはいろいろな理由で証拠になりにくい。SNSでの論争に耐えるクオリティは全くありません
論文を読んでわかりたいと思うかたのために説明します

自動キャピラリーウェスタンブロットシステム (WES)を用いています。使用した抗体は記載されていません

妊婦1の胎盤はスパイクタンパク質陰性
妊婦2の胎盤にスパイクタンパク質陽性です。妊婦2は過去もこの検査時も新型コロナウイルスに感染していないため、このスパイクタンパク質はmRNAワクチン由来と考えられます。ファイザーのワクチンを2回接種しています
Control は感染歴なし、mRNAワクチン接種歴なしの胎盤です

循環ワクチン mRNA の完全性


血液サンプルを、モデルナmRNA1273の2つの異なるプライマー (mRNA1273-1 とmRNA1273-2) を使用してDroplet Digitalポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR) を行った結果を二次元グラフにしたもの

ここでは両方陽性の液滴を「ワクチン mRNAに完全性がある」、とした

母体血液は85%完全性があるが、臍帯血では完全性は13%まで大幅に下がり、ワクチンmRNAは臍帯血まで到達するが壊れているものが多いことがわかった

補足:妊婦2人のプロファイル


一人目は妊娠 38 週 4 日の 34 歳のかたで、妊娠高血圧症を患い、ファイザーの COVID-19 ワクチンを 2 回接種し、ブースター接種を 2 回受けました (ファイザーとモデルナ)。最後の接種は、健康な赤ちゃんの帝王切開出産の 2 日前に投与されたモデルナのブースター接種でした。出産後に胎盤、母体血、臍帯血のサンプルを採取しました

二人目は妊娠 40 週の 33 歳のかたで、合併症のない妊娠で、ファイザーの COVID-19 ワクチンを 2 回接種し、最後の接種は健康な赤ちゃんの通常出産の 10 日前に投与されました。出産後は胎盤サンプルのみが採取されました

COVID-19に感染しておらず(PCRで確認)、ワクチン接種歴のない母親の胎盤サンプルがネガティブコントロールとして使用されました


Transplacental transmission of the COVID-19 vaccine messenger RNA: evidence from placental, maternal, and cord blood analyses postvaccination
Am J Obstet Gynecol. 2024 Jun;230(6):e113-e116.




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