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#7 中村哲先生の仕事を考える~来るべき時代に志を繋ぐ~

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。TAを務めているO.S.です。この講座の概要はこちらをご覧ください。

私の担当している班では、
「前の授業中にサンダルの紐が突然ちぎれました~(泣)」と、今にもサンダルが脱げそうな学生や、「フットサルで足えぐられました。」と、包帯を巻いた足に下駄を履いて授業に出席している学生がおり、履物エピソードで夏を感じる季節となりました。
グループワークも3回目となり、メンバーも大分馴染んできたかなと思います。

それでは、今回の記事では先週記念講座第7回授業として行われた、グループワークの様子やその内容についてお届け致します。


今回の授業概要

今回の授業は
中村先生の仕事の意味を理解し、自分に置き換えて考えるために、
「これからどんな時代になり、
その時代に中村先生ならばどんな挑戦をするか。
また、中村先生の生き方に学び、自分自身ならどんな挑戦ができるか。」
をテーマに問いを考えました。

鏑木先生からのイントロダクション、
問いの選択、ディスカッション、各グループの内容の発表
(グループディスカッションでは共通問題と選択問題を1つ選び、合計2つのテーマについて話し合います。)
という流れで授業が進められました。


鏑木先生からのイントロダクション


初めに、鏑木先生より問いを考えるための参考資料として
中村先生の生い立ちについて紹介がありました。

「大学を休学されていたことや卒業後の進路はあまり深く考えずに、
その時その時の出会いや縁に対して誠実に応えてきた。」
というお話しは、中村先生の行動力や誠実性が伝わってきます。

最後にご紹介があった、
「学生時代って大切だよ。学生時代やっていたこと・考えていたことっていうのは、
その後もそのままその方向で行くものです。
多くの人を見てると大体そう思います。」
という中村先生の言葉 も記憶に残りました。

グループワークの テーマ

グループディスカッション3回目の今回は、
前回までと同様、TAと鏑木先生で問いを考えました。
重要なテーマではあるものの、正直、TAからも難しいという声が上がるテーマでした。

最終的に


「中村先生が誰もやりたがらないことの実現を目指した志とは何だと思いますか。
また、現代社会の中で、誰もやりたがらない課題にはどんなものがあるでしょうか。
中村先生がいま学生だったら、どんな挑戦をすると思いますか。」


というものを共通課題としました。

また、
選択課題は以下の2つとなりました。

➀「大きなことを成し遂げられた中村先生ですが、
本人は「小さな我々」、「ささやか」と述べられ、
大規模なプロジェクトではないと考えられています。
企業や国による大規模なプロジェクトと比べれば「ささやかな」中村先生の仕事が人の心を動かし、
現地の人々の生活を変えることのできた理由は何だと思いますか。
また、あなた自身がささやかなことの積み重ねで社会を変えてみたい、
それに挑戦してみたいと思う課題はありますか。」
②「中村先生は国籍、性別、宗教の違い等で人を差別することなく多くの事業を成し遂げられたが、
先生の著書には、事業を進める際に先生が考えた対人関係に関する考え方が数多く述べられています。
例えば、「「共に生きる」とは、美醜・善悪・好き嫌いの彼岸にある本源的な関係だと私は思っている。」(『天、共に在り』p. 23)
昨今、差異や違いを互いに理解し尊重する、“多様性”という言葉をよく耳にしますが、
中村先生の生き方から学ぶべき多様性とは何でしょうか。
中村先生の考える多様性の考えのもとに、
私たちはどのような行動や挑戦ができるでしょうか。」

共通テーマと選択テーマから1つの計2つのテーマについてそれぞれのグループで話し合いました。


グループワークの内容


ここからは実際に話し合った内容について、ご紹介します。

まず、中村先生の志を話し合いました。
発表では、
・必要とされていることはすべてやる。
・現状を見てしまったからには、自分でどうにかしなければならない、という大きな責任感。
・主役は現地である。
・世界の状況を満遍なく見て、一隅を照らす。
・他の人が助けられなかった人を助けられる。
・やりたいこと・やりたくない事がそもそもなかった。
・スポットライトが当たらない問題に目を向ける。
といった意見が出ました。
各グループの発表を聞いていて、【志】を考えることは、
中村先生の考え方を一言で表現すると?
という問いに置き換えられるかと思いました。

ついつい自分の感情で動いてしまう私にとっては、
どの志も仙人ではないかと思わされる意見でした。
行動からこの志を導かせる中村先生の行動はやはり見習いたいことばかりです。

また、中村先生が今学生だったらどんな挑戦をするか?
という問いに対しては、
「昆虫採集などの趣味を増やす事に没頭すると思う。」
という意見が出ました。
どんなに素晴らしい功績であっても、
私も含め中村先生の著書から少年少女のような好奇心を感じており、
この意見は面白いなと思いました。案外当たってる気がしました。

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次に、選択問題については、②の多様性とは?という問いを取り上げさせていただきます。
この問いでは中村先生の“対人関係”に焦点を当て、そこから学ぶべき多様性を考えました。
以下、発表内容です。
・人として同じであり、同じ立場という視点から見る。背景が違うと意見が違う。そのため、対等な立場で意見をすり合わせていく。
・多様性を受け入れることが目的なのではなくて、目的を達成するために多様性を受け入れていた。
・民族などの目に見えるものだけでなく、個人の信条や考え方なども含まれる。
・自分も多様性を構成する1人として、自分はこういう人間なんだという自己表現が大事。

発表の中で、多様性とは普遍性である。というものがありました。
多様性と聞くと、一般的には様々な種類がある事と捉えられていてこんなイメージが連想されます。

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しかし、受講者の発表では、
違いを超えた何か共通点の方に目を向けた意見が多かったです。
元々皆同じ生物であるという、こんなイメージでしょうか。

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共通点を感じることは人と関わる上でとても重要な事かもしれません。
違いを認め合うために必要なのは、同じである事を知る。
というのは逆説的でとても面白いなと思い聞いていました。


次回の授業について


次回はついに最終発表です。
学期末で忙しい時期ですが、これまでの講義やディスカッション踏まえて、
それぞれのグループで発表準備を進めてくれていると思います。
「中村先生からの学びを生徒がそれぞれの言葉で表現できるようになる。」
という今回の授業の目的の下、TAもできる限りのサポートをしていこうと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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