#5 中村哲先生の仕事を考える〜医療支援活動を中心に〜
ご覧いただいている皆様こんにちは。中村哲先生記念講座のTAを務めておりますM.D.です。
この講座の概要はこちらをご覧ください。
今回の記事では先週記念講座第5回授業として行われた、生徒によるグループワークの様子やその内容についてお届け致します。
1.授業実施方法について
グループワークも今までの授業と同様に、九州大学中央図書館4階きゅうとコモンズにて行いました。1グループ生徒とTA合わせて4~5人のグループ毎に別れての実施でしたが、図書館職員の皆様の全面協力により、オンサイト希望の生徒は机の間にパーテーションを設ける、マスク・手指消毒の徹底など感染対策を講じて、オンライン希望の生徒はZoomのルーム分け機能を用いる、など万全の状態の上授業は進められました。
2.授業内容について
【グループワーク全体の流れ】
グループディスカッションの授業は4パートから成ります。
まずはグループワーク1回目、中村先生がペシャワールにて医療活動をされていた時の困難と、それに対する先生方の挑戦、結果から何を学ぶことができるかを考えました。
今週行われたグループワーク2回目は中村先生が用水路を建設されている頃の仕事の目的に主眼を置きました。
来週実施予定のグループワーク3回目ではこれから先の読めない時代、中村先生ならどんな挑戦をするか。そして今まで1,2回目で学んできた先生方の挑戦から私たちはどう挑戦していくかについて考えていきます。
そして最終回、今まで1~3回目で考えた内容をまとめ、プレゼンテーションを行います。
本投稿では先週行われた1回目のグループワークの内容について詳しく触れていきます。
【ディスカッション】
授業はグループのアイスブレイクから始まり、その後鏑木先生とTA共同で用意した中村先生の仕事についての問いを考えてもらいました。今回は中村先生が初めてペシャワールに行かれた際に医師として取り組んでいた仕事であるハンセン病の診察を中心に、「大切な事は何か?」「ボランティアの理想のあり方は?」など一般的で抽象的な問いかけから、「なぜ差別が起こってしまったのだろうか、偏見を持たず正しく恐れる方法は?」「先進国に精神の貧困が見られるのは何故か?」など、現在のコロナ禍にも通づるところがある具体的な問いなど様々な種類の問いを用意し、生徒に自由に考え、ディスカッションしてもらいました。
授業が90分という時間の制約上、問いは多くても2つについてしかディスカッションできませんでしたが、様々な意見、考えが出ました。以下、意見の例を写真と共に紹介いたします。
「現地の人々を尊重して共に生きるという中村先生の活動の軸が見て取れます。」
「先生は状況を遠くから眺めて対策するのではなく、現地で正面から向かっていた。」
「中村先生は、見てきたものに基づいた自らの考えをストレートに伝えることで壁を突破していったと考えました。」
など、生徒の皆さんは自分が事前に読んだ中村先生の著書と、今まで3回の講演を通して「自分の中の中村先生像」を作り上げ、それに従い回答されていた印象があります。このディスカッションの後に各グループ簡潔に発表を行ったのですが、選んだ問いも非常にバラエティ豊かであったり、同じ本を読み、講演を聞いたにもかかわらず同じ問いに対する考えが異なっていたりなど、皆さん先生の仕事について自分なりに考えてくれていると感じました。
3.次回について
次回は同じくグループディスカッションの2回目、用水路を建設されていた時の中村先生の仕事について考えます。生徒さん達も慣れないディスカッションながらよく意見を出されていたので、今後のグループワークでも様々な意見を出してくださると思います。勿論私たちTAも一緒に考え、中村先生の仕事から積極的に学んでいこうと思います。