産科麻酔科医が伝えたい‘2022年’無痛分娩~無痛でも実際は痛いの?編~
こんにちは。
産科麻酔科医ドクターまるです。
勉強して得た知識を発信することで、より自分のものに
そして、誰かの役に立てたら。。。
と思い始めたものの
なかなか記事にするって難しい、と感じている今日この頃。
そんな今日のテーマは
’無痛やったけど痛かった’、’和痛だよね、結局’というチマタの意見について。
無痛分娩で痛みを評価するときに使う指標があります。
NRS=Numerical Rating Scale です。
0:何も痛みがない状態
10:考えうる最悪の痛みがある状態
と仮定して、感じている痛みを10段階評価してもらいます。
無痛分娩の疼痛コントロール目標は
NRS3以下と言われています。
ただ、ここで重要なのがNRSという評価が主観的なものであるということ!!
同じ痛みでも、人によって感じ方は違いますよね。
痛がりさん、痛みに強い人それぞれ。
それをどうやってとっていくのか。
経腟分娩は最後はやっぱりお母さんのイキミがとっても大事。
子宮の収縮、陣痛にあわせていきむと、
赤ちゃんも自然にグルっと回りながら出てきます。
そのためには、痛くないけど、陣痛は感じて、イキムちからも残っている…というちょうどいい塩梅にコントロールしないといけないんです。
痛がりさんに、一つ返事で痛みが完全に取れるまで麻酔を足すことはできます。
でも、それでは痛くないし、何にもわからないし、自分の力では産めない、状態になってしまいます。
そうなると、鉗子で赤ちゃんを引っ張ること(器械分娩)や、帝王切開が必要になってきます。
それは、まさしく前の記事で書いた、無痛分娩のリスクです。
https://note.com/dr_momo/n/n4f0ad28f6be1
では、痛がりさんは無痛分娩にしても痛いのか…
安心してください!
そんなことはありません。
分娩の進行を予測して、早め早めに麻酔を調整することで、
リスクを減らして、痛みをしっかりとることができます。
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