自分で自分を守る!安全な無痛分娩のために、妊婦さんに気にしてほしいこと
こんにちは。
産科麻酔科医のまるです。
今回は、無痛分娩を受ける妊婦さんに知っておいてほしいこと、です。
無痛分娩を受けられる施設は増えている
ここから探してみよう
JALAという団体を知っていますか?
2018年厚生労働省が主導となり、安全な無痛分娩のために発足した団体で、実態の分かいりにくい無痛分娩施設について調査を行い、情報公開をしています。
ここのホームページには、日本全国の無痛分娩実施施設に関する情報が掲載されています。
実際に選ぶポイント
さて、実際に、分娩施設を選ぶときのポイントは
✓無痛分娩の件数が多い
✓何か起きた時のバックアップがあるか
✓無痛分娩に熟達した医師がいるか です。
別の記事にもまとめていますので、詳しく知りたい方は、そちらを読んでください。
いざ、無痛分娩を受ける
いろいろな無痛分娩方法
ひと言で '無痛’と言っても、いろいろな方法があります。
病院によって、痛みとお産のコントロールの仕方も様々です。
自分がどんなお産をしたいか、初めて赤ちゃんと会う瞬間をどう迎えたいか・・・
想いがある方は、病院スタッフにきちんと伝えておくことをおススメします。
自分で自分を守る方法
さて、背中に管が入り、無痛が始まったとしましょう。
痛みが和らぎ '天国!'と感じる人もいるでしょう。
薬剤の投与は、多くの施設が器械を使います。
定期的に、もしくは持続的に薬剤を投与することで、麻酔の範囲や深さを保ちます。
そこで、頻度は低いけど起こると危険なトラブルを早めに察知し、重篤な事態を避けるためのポイントをお伝えします。
それは、2つあります。
まず1つめ、それは '足が動くか' です。
入ってる管が、少し奥のスペースに入り込んでしまうと、麻酔の効果が強く出ます。
それが、‘足が動かない’という症状です。
気づかないうちに、そのスペースに薬剤が投与され続けると、少しの量で全身に麻酔がかかり、呼吸が止まったり意識を失ったりすることがあります。
2つめ、それは '上半身はいつも通りか' です。
管が血管の中に入ったのに気づかず、多くの量の薬剤が血管内に投与されると、局所麻酔中毒が起こります。
はじめに出る症状は、舌や唇のしびれ、金属の味、めまいなどの上半身の症状です。
さらに、投与が続くと脳や心臓に作用し、深刻な状態となります。
血管の中に管が入っている場合、痛みが強くなる、麻酔が弱くなったという訴えから、気づくこともあります。
病院のスタッフが忙しそうだな・・・
声かけづらいな・・・
と思うこともあると思いますが、我慢せず気になること、さらに上記のような変化があった場合は、すぐに声をかけてください。
医療スタッフとのコミュニケーションは、満足度の高いお産、安全なお産のためには必要不可欠です。
遠慮せずに、呼び止めてくださいね。