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ママがいる

薄目開け母の姿を確認し微笑みふたたび寝入る明け方

おもち、久しぶりに入院した。

といっても、2泊3日の検査入院で、本人はいたって元気である。

期限が決まっていること、イヤイヤ期真っ只中で絶対看護師さん泣かせのイタズラをやるであろうこと、病棟ルールがおもちの生活に合わない(付き添えば許可される内容)ことから、付き添うことにしたのであるが。

ぼくのそばにママがいる。

というのが今最も大事な様子のおもち。
病院であるとか、自宅であるとか、そういう場所見知り的なことはあまりないようで、ママがいれば普通にご機嫌で、ご機嫌なまま遊び、苦手なご飯はちょっと抵抗しながらも全部食べた。

そして、夜は、おもちの寝る高い柵のベッドの横に、母の簡易ベッドを置いて寝るのだが、

『まま』

真っ暗闇にほの明るいふちどりが見える明け方、柵の間から小さな手が伸びてくる。
その手を握ってやると、おもちが笑顔になるのが薄ぼんやりと見える。
そしてしばらくして、手からくったり力が抜け、すーすーと寝息が聞こえてくる。

この一瞬のために付き添っていると言っても過言でないな。

おもちの寝息を聞きながら、母はまたまどろむのであった。
朝は、すぐそこ。
検査のあと、またたくさんあそぼう。

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