きょうだいの、まんなか
3人きょうだい。
と、ひと言でいっても様々な形があると思うが、我が家は年子姉妹と、年の離れた末っ子長男である。
年齢や性別だけみても上ふたりと弟、という2組に分かれがちな印象だが、更に、末っ子のおもちくんは生後長期入院していた医療的ケア児。腫れものとまではいかずとも、訪問診療、療育、訪問看護、リハビリ等等、何かと『自分たちとは違う』『おもちくんは別』となりがちな立場である。
だがやはり、年は離れているといえど、今からでも外国に住んだら日本語を忘れそうな年齢の上の子たち、その『自分たちとは違う』ものにも慣れた。
超すぐ慣れた。
退院すぐ、10ヶ月の小さなおもちに繋がるデバイスを飛び越えながら払い除けながらくんずほぐれつもみくちゃに遊び、毎日笑い声の絶えないなかで、おもちも上の子たちもぐんぐん育ってきた。
『おもちくんのおかあさん、おもちくん、おうちに一日でも早く帰った方がいいです。病院にいるより、絶対育ちます』
と、新生児科とNICUのチームの皆さんにまっすぐな目と鬼気迫る圧で後押しされ、異例のNICU、GCUでの手技叩き込みを経て、
『この重症度でNICU出て退院する子の中で最短記録』
というスピードで退院したおもち。
『あのEDチューブで寝たきりの状態から今の成長は信じられない』
と言われるところまで育ってきたおもち。
おもち自身の生命力、最後の砦であるこども病院にいのちを救われたこと、小児在宅医療の神と訪問看護の女神にみてもらえたことが幸運だったのはあるが、おもちが育つ上で強いエネルギー源になったのは、まぎれもなく、上の子たちであると思う。
子どもは、子どもの中で、育つ。
我が家は子どもが大人より多いというお江戸ではやや珍しい家庭ではあるが、ひとりっ子だろうが上の子だろうが下の子だろうが、どんな子も子どもの中で育つのだ、というのを社会の中に落とし込んでいけたらいいなぁ、とずっと考えている。