週報Vol8 2024/06/14「第30期」「訪問診療立ち上げ」「財務戦略」
月に一回の会計事務所さんとの打ち合わせで東京に来ています。その飛行機の中、せっかくなので、財務戦略からの目線で法人の中~長期的な戦略をみなさんと共有していきたいと思います。なぜ訪問診療を行うのか?の解説にもなるかと思います。
今年の3月の決算を終えて丸岡医院は30期を無事迎えることができました
ここまで事業を続け、さらに新たなフィールドに進出したり、各部署の中でも「より良い組織作り」などを自発的に考えてくれているスタッフがいると言う、とんでも無く素晴らしい組織になってきていると思います。本来の自分たちの働きや理想は「こんなもんじゃない」という意識は非常に大切で、僕もより良い組織、環境、待遇を提供できるポテンシャルがあると強く信じています。
そんな組織の成長をさせる為には「人」と「お金」が必要になりますが、そのなかでもお金をどうコントロールしていくか?が財務戦略になります。医療法人丸岡医院は年間の売り上げが約10億円です。つまり、1ヶ月では約8000万円くらいの売り上げになるわけです。企業が大きくなってくると現金をしっかりもちながら経営していくことが重要で(コロナのような事態で営業が突然できなくなるような事態などにそなえて)その目標額は「2ヶ月分の月商」を目指していくのが一般的です。(2ヶ月営業停止になっても法人が破産しない一つの基準になります)現在丸岡医院は1ヶ月分の備えまではできましたが、今年一年でそれを2ヶ月分まで持っていきたいと思います。例年夏、冬のボーナスに加えて年末の賞与の合計3回のボーナスを提供していましたが、昨年は年末の賞与の額を少し下げさせてもらいました。それは、上記の「貯金」を行うことでより安定した経営ができるからです。安定した経営がなぜ必要なのか?と言えば、銀行からの借入を行うことができるようになり、新しい事業に資金を投下しやすくなるからです。
「同じことを続ける」だけでは必ず世の中の流れに取り残されて、いままでうまくいっていたのに…という状況が起こります。「停滞」は「敗退」になることは避けられない事実でしょう。あらゆる面でポジション=地位が出来上がると、人は「失うことの恐怖」(≒損失回避)を行うことになります。新しい成長に資金を投下しなければ、数年単位ではむしろ利益が法人に残りやすくなります。その結果目先の給料が上がるかもしれません。しかし、10年、20年という単位ではそうではないのです。今、組織が安定しているうちに次のアクションを起こすのです。現実に丸岡医院自体が年間売り上げ10億円の壁を突破するのに「30年」かかっているのです。僕は売り上げ高「30億円」を目指しており、それを5~10年ほどで実行したいと思っています。
その中期的目標の中で、医療法人丸岡医院の戦略の一つに「設備投資不要な事業」を広げていく必要があります。もともと丸岡医院は高齢者住宅事業が一つの大きな柱になっていましたから、どうしても設備投資が増えていたのです。そこでこれから行なっていく新たなカテゴリーが「訪問診療」です。大きな設備投資が不要で、かつ社会的なニーズも非常に高まっています。地域のニーズに応えながらも、現在丸岡医院が必要としている事業としてベストマッチしていると考えます。さらには法人で設備投資をせずに、資産を持たない形の高齢者施設の運営なども非常に次世代的だと考えその方針をとることにしています。
このように「医療法人丸岡医院を長期的に安定させ、さらに収益を上げるには?」と言うことを常に僕は考えて行動しています。一見するとよくわからない行動をとっているように見えても必ずその裏には「理由」があります。そして、ありがたいことに、そこに共感して人が集まり新規の雇用にもつながっています。最近とある大きな福祉関係の事業所の代表とお話しする機会がありました。
「今の時代、人が本当に集まらない。外国人スタッフを入れてようやく回している」
「スタッフも、人口の少ない地域では活気も低い印象で、雇用が大変」
とおっしゃっていました。でも僕たちの法人は全くそんなことはないと思います。スタッフに関しては人件費率からみてもかなり余裕のある比率になっています。スタッフも僕が施設に行けば明るく挨拶をしてくれます。もちろん現状が100点満点な組織なはずはないですが、それでも僕はやはり「僕らの法人は恵まれているな」と感じています。それは経営に携わらせてもらっている立場からしてもそう感じます。この恵まれた環境を自分の子供達や孫の世代まで続かせてあげたいなと思います。ぜひみなさん「未来思考」と「長期思考」で様々な課題を一緒に乗り越えていってもらえると嬉しいです。