自分の「エンド・オブ・ライフ」をどうしたいか
終末期医療に関するノンフィクションで,京都の診療所が舞台のひとつ.色々と感じるし,考える.とても良かった.人は生きてきたようにしか死ねない.家族への向き合い方や自分の生き方について色々と考えて実行せねばと改めて強く思った.
本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞 受賞作.
看取りのプロフェッショナルとして,死を宣告された患者とその家族が,患者の人生の最後のときを願う通りに過ごせるように,在宅での終末期医療に自分の人生を捧げてきた看護師.診療所の仲間とともに,患者とその家族に対して途方もなく献身的に接する姿に驚かされる.限られた時間の中で,精一杯に家族と過ごす患者とそれに応える家族の姿から,自分の場合にはどうするだろうかと考えずにはいられない.
その看護師が自分の死を覚悟したとき,これまで自分が看取ってきた人達のことを思いつつ,自分自身の最後のときの過ごし方を選択する.友人として,それに付き合いつつ,終末医療・在宅医療について取材する著者.その著者もまた,自宅で難病の母を献身的に介護する父の姿を見続けてきた.
看護師と著者の話を交錯させながら,在宅での終末医療の現場を描いた本書「エンド・オブ・ライフ」.とても良かった.
© 2024 Manabu KANO.