眼瞼(まぶた)の解剖の歴史|解体新書ほか
杉田玄白らによる解体新書(1774年)。ドイツ人医師クルムスの解剖学書を翻訳したものです。日本初の翻訳本。
国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2558887/24
眼瞼挙筋がしっかりと描きこまれています。「眼胞」は「眼瞼」のことかな?
機能についてもコメントされています。「眼胞環筋」は眼輪筋。「上瞼筋」は眼瞼挙筋ですね。
オランダ語を日本語に翻訳するって大変な苦労があったろうなと想像します。
裏のページが透けて見えるのが紙の薄さを物語ります。印刷は綺麗ですね。これを手にした江戸時代の医師たちはさぞかし感動したことでしょう。
そして江戸後期に作られた南小柿寧一(みながきやすかず)による「解剖存真図」です。
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00013408
囲眼筋:眼輪筋
眼胞筋:眼輪筋瞼板部?
*(冠が如、足が手:dragの意味だと思う)胞筋:眼瞼挙筋
「マブタを開閉する」といったコメントがあります。江戸時代には瞼の解剖と生理学もある程度理解されていたようです。
江戸時代の学者の、学問に対する貪欲さを感じ取りました。過去にタイムトラベルしたら彼らと議論ができますよ。
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