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自分の顔に欠陥があって不安?醜形恐怖症とは

自分の顔に「異常がある」と感じますか?

その結果気分が落ち込んだり、人とのコミュニケーションが取りにくくなることがありますか?

生まれつき、もしくはやけどや怪我が原因で顔にイレギュラーな形がある場合、本人にとって精神的な負担になるというのはよくわかりますよね。

だから見た目の(形態の)ハンディキャップがある場合、形成外科や美容外科で治療を検討するのです。うまくいけば計り知れないメリットを享受できます。

一方「手術治療をしない方がよい人」がいます。

醜形恐怖症しゅうけいきょうふしょう」という病名を聞いたことがありますか?

自分の容貌に欠陥があると思い込み、塞ぎ込んだり、人との接触を避けるようになります。

身体醜形障害しんたいしゅうけいしょうがい(英: body dysmorphic disorder ; BDD)あるいは醜形恐怖症とは、極度の低い自己価値感に関連して、自分の身体や美醜びしゅうに極度にこだわる症状である。実際よりも低い自己の身体的なイメージが原因である。俗に醜形恐怖また醜貌恐怖とも呼ばれる。自殺率は非整形経験者の45倍と非常に高い。

出典:wikipedia:身体醜形障害, 醜形恐怖症

コミュニケーションがうまくいかない原因を、「自分の見た目の欠陥」に求めます。見た目が原因ではないのに、です。

そこで形成外科や美容外科を受診します。

「見た目を直して欲しい」と。

ところが、「醜形恐怖症」の人は手術をしても、コミュニケーション能力は改善しません。それを「手術がうまくいっていない(もしくはまだ足りない)からだ」と解釈(無意識に)してしまうのです。

例えると飲食店の「接客」や「味」に問題があるのに、「盛り付け」に問題があると信じ込んでしまうようなものです。盛り付けを改善しても解決にならないのに、ひたすらに盛り付けにこだわるのです。

問題は当人がそれを自覚しないこと。指摘してもその事実を受け入れられないことです。うつ病や統合失調症も絡んでいるので精神科的なアプローチが必須。

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【注意!】見た目に対するコンプレックスを持つ感性はある程度までは正常です。ここが問題を難しくしています。

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手術を何回してもなかなか満足に至りません。カラダが傷つくばかり。

まぶた手術では、二重ふたえの線の左右差について微妙に小さなスケールでこだわります。本人も担当医も消耗します。

今日において、より現実的な対策としては、医療機関が「手術を即決しないよう」患者さんに促すことしかありません。

メークなど可逆的な(振り出しに戻せる)対処法を追求していくことにエネルギーを振り向けましょう。

しかしご本人には「突き放された」と感じられる場合もあるでしょう。そして他の医院を訪ねることになってしまうというオチも…

もし担当医から精神科受診を提案されたならば、どうかどうか精神科受診を検討してみてください。

ひとつしかないあなたのカラダ。

傷だらけにしないよう、大事にしましょうね。

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形成外科医 金沢雄一郎
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