見出し画像

向上心って必要だろうか?

向上心のない私。そして先輩や上司を失望させてきた私。

ハングリーに先輩に食らいついていく"かわいさ"。それがなかったのです。

「何になりたいのか?」
「トップになりたくないのか?」
「この分野で有名になりたいとかないのか?」
「名を残したくないのか?」

もうねえ。全然ないんです。

その点は小さい頃から一貫しています。

でも質問した方をがっかりさせたくない。その思いで「〜を極めたい」とか嘘の向上心で取り繕う私。(嘘でも本当は小っ恥ずかしくて言いたくないです。)

分からなかったのですよ。その道のトップになって初めて評価される空気。あるいはトップを目指すことを表明することのみが評価される空気。それが理解できませんでした。

ましてや周りを蹴落として生き残りたいなんて気持ちは微塵もありません。

安定したクオリティの牛丼を提供できる方が、「僕の考案したオンリーワン牛丼」より良くないですか?

徹底してスタンダードを身に付けたいだけなんです。

先輩や上司から学べることは必死に学びました。でもトップになりたい訳じゃあない。というかスタンダードを極めることすら遠い世界だもの。学びは学びで延々と続きます。

私って合理主義なのでしょうか。その分野のトップってコストがかかるんです(リスクも)。でも二番手ってコスト5分の1ですみます(リスクも5分の1)。だから一位を狙っている人の仕事を粛々と見守り、失敗を見届け、学びとれるところをコソコソと学び取ります。

それって日々の医療に対する態度にも現れます。リスクを最小化して効果を最大化する取り組みにつながると思うから。

新しい医療技術への挑戦に患者を巻き込みたくないのです。より確かな標準治療を安心して受けてほしいのです。

注)なお本記事はトップを追求する態度を否定するものではありません。リスペクトしています。

追伸

私はデジタル系の新製品も初物(はつもの)には手を出しません。次世代が発売されたときに楽しみます。初代って多くの人柱の犠牲により洗練されていくんですよね。(それはそれで人柱になる楽しみもありますけどね。)

いいなと思ったら応援しよう!

形成外科医 金沢雄一郎
可能ならTwitter,Instagramも覗いてみて。 https://twitter.com/dr_kanaz https://www.instagram.com/dr_kanazawa/ いただいたサポートはJETSTREAMのペンの購入に使わせていただきます。