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新型コロナに感染してホテル隔離生活
『コロナ陽性反応』そして隔離療養生活へ
まったく症状のなかった私にとっては「寝耳に水」どころか「寝耳にアイスバケツ」でした。
成田空港に到着してすぐに唾液でコロナ検査です。当然アメリカ出国前のPCR検査も陰性でしたし、体調もすこぶる良好であった私。これでもかと言わんばかりに唾液を絞り出してぺっぺっとスピッツへ投入しました。
パイプ椅子に座って検査結果を待ちます。一時間以上経過します。私の周りの人たちは番号が呼ばれて次々と立ち上がり去っていきます。
「みょーに変だなあ??。わたしの番号が呼ばれないよ?聞き漏らしたかなあ?だってそうでしょ。みんないなくなったのに私だけ一人ぼっちになってるんだよ。」
で係の人に直接問い合わせたところ「陽性」と告知されたのでした。
これからホテルへ移動すること。しばらく隔離生活を送ることになることを説明されました。すみやかに家族ならびに関係各所に連絡。この時点で体温37.2℃。自覚症状がないものの現実を受け入れる準備ができました。
なおワクチンは3回接種済み。「ワクチン効かないじゃないか!」とキレる人もいると思います。ですが私の周囲はブースタ済みでも罹ってます。おかげでその辺は諦めが早かったのです。
成田空港を裏口から忍び出るように出発。空港へ着陸してからすでに7時間が経過しており気持ちも憔悴しきっておりました。
あなたならこの期間どう過ごします?
いきなり降臨したイベント。いかんせん物がない。4泊の強行日程から帰ってきたばかり。わずかばかりの物資しか手元にありません。最初は「なるようにしかならない」という諦めの気持ちからのスタートでした。
私のコロナの症状
ホテルで一泊した次の日は36℃台でしたがその翌日に38℃を少し超えました。喉の違和感も振り返れば「あったかな」と言う程度。体温の割に元気。胃腸も問題なし。その後は解熱しました。振り返れば倦怠感もあったのかなという程度。解熱剤も使用しませんでした。
隔離療養期間
無症状であれば8泊で退所。症状が出たら11泊で退所です。私は熱がでたので11泊となりました。途中のPCR検査で陰性が2日連続で観察されると短縮されることもあるようです。
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隔離生活ルール
一日三回のお弁当
一日二回の検温、酸素飽和度チェック
部屋から出ないこと
外界との接触不可
13時から16時は廊下のウォーキング可
アマゾンの買い物可
このルール下でできることをリストアップしました。
自分ルール
勉強(英語と中国語)
部屋で筋トレ
映画鑑賞
服は都度速やかに手洗いして干す
食事
日に3回お弁当が配られます。栄養は十分すぎるくらい。糖質に比重がかたよるかなと心配しましたがタンパク質も十分でした。食べきれません。そしてね、写真では結構映えるでしょう?でもやっぱり飽きるんですねえ。
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食事の支度(と片付け)を考えなくてよいというのはとっても楽。いかに普段の生活で食行為に消耗しているか気付かされました。自炊って人生消耗しているという側面は確実にありますね。
メディカルチェック
体温計と酸素飽和度モニターがあります。朝8時と夕方16時にチェックし、スマホで入力します。時々部屋に電話があり、体調を問われました。
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これと言って医学的にやることがない(楽しみもない)のでこれらのチェックは忘れることなく出来ました。
勉強
アプリ(ネット環境あり)です。iPad Proを持っていたのが幸い。モゴモゴバスター」でヒアリングのトレーニングしつつGoodNote5でノート作りします。
運動
私が収監されると聞いて知人が薦めてきた筋トレ本。囚人が器具のない環境で身体づくりをするというテーマ。怪我をしにくいというコンセプトも素晴らしいです。まさしく隔離生活トレーニング向け。
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プルアップ(懸垂)系はできないかなとおもったらクロゼットにバーがあったので片腕斜め懸垂ができました。
廊下でランジウォーク。廊下に出ることが許されるのが午後の3時間。単なるウォーキングでは物足りない。走るのはNGだろう。ということで静かにランジウォークをしました。これなら誰にも迷惑にならずに有酸素運動ができます。
抗原検査キットを個人的に勝手にテスト
市販されているコロナ検査キット。一回分1000円〜2000円程度で「研究用」と銘打って販売されています。果たして信頼に足るものでしょうか?個人的に検証すべくアマゾンで注文しました。A社(唾液)を4セット、B社(唾液か鼻)を3セット。
結論。偽陰性になる。つまり「陰性であると」誤って判定しています。(なお、隔離中に二回PCRで陽性と判定されています。)B社のもので鼻からの採取で陽性と出た以外はすべて「陰性」でした。
つまり合計7回のテストで一回だけ陽性反応。抗原検査キット(研究用)は陰性証明には使えません。以上1万円以上ポケットマネーを消費して結論付けたのでした。後悔はしていません。
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見た映画
時間があり余ってるから無限に映画を見ることができそうと思うでしょう?そうでもないです。一本見ると妙に疲れます。コロナの影響かな?
『赤い闇』
ホロドモールがテーマ。イギリス人の記者の視点で描かれるウクライナの人々が大量に餓死した事件。実話に基づく。今起こっているウクライナの争乱の背景を知る。
『この世界に残されて』
ホロコーストを生き延びたハンガリーの中年医師と女の子はそれぞれに家族を失ってひとりぼっちになっていた。お互いの心の欠損を埋め合うように引き寄せ合うが。。。切ない叙情的な描写。
長い隔離生活を終えて
いろいろ思考する時間をたっぷり得ることができたのは貴重な体験でありました。人生の区切りを作ったとも言えるイベントでした。
自分の人生でより大切にしたいものとは?時間?モノ?ヒトとの交わり?
まだ答えはありませんが、今後の人生体験から得る感情に大きく影響をあたえそうです。
あとがき
あなたならこの時間をどう過ごしたいですか?
いずれにせよ隔離生活は相当に負担が大きいです。オススメしません。
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![形成外科医 金沢雄一郎](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154696492/profile_f29d27537e507539e08ef4e328cad17c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)