カラーコンタクトはなぜキラメキが少ないか?なぜ平坦に見えるのか?なぜ奥ゆかしさがないのか?
カラーコンタクトレンズやサークルレンズは、瞳の色調が浅くてフラットな見えてしまいます。いったいなぜでしょう?
瞳の色には奥行きがある
瞳の色は「虹彩の色」です(中心は真っ黒な瞳孔)。
虹彩は目の表面から、深いところで4mmくらいです。(参照:眼の常識・非常識)
角膜を透過した光が虹彩で反射し、その光が角膜を抜けて虹彩の色が認識されます。
そうです。
瞳の色は目の表面の色ではないのです。もっと深いところの模様なのです。
彫刻でも深さが表現されている
透明感とは?
透明感とは、「表面の反射と奥からの反射が重なって見えること」です。
水、みず飴、瓶、カメラのレンズなどを見てください。
ある程度厚みのある透明な物質で覆われると表面の反射と奥からの反射の像が重なって透明感が感じられます。
虹彩の前にある角膜と房水は厚みのある透明な物質です。角膜表面の反射と虹彩表面の反射の像が重なります。これが濃厚な透明感を醸し出しているのでしょう。
角膜表面の反射も存在感がある
ご覧ください。角膜表面そのものも光を反射します。
角膜表面も結構反射しているのが分かりますね。鏡面反射なので、この見え方がコンマ何秒で刻々と変化します。(マニアックな味方をすると角膜の厚み分の反射の像のズレも見えます)
人間の目は静止していませんから、きらめきを感じます。
カラコンは表面の色
カラコンは「模様の奥行き」がないんですね。もうね。コレが致命的。
厚みのある透明な物質に覆われていないし、角膜からの深さもない。平坦な模様に感じるのです。
上のカラコン写真は瞳孔(虹彩の中央にある絞りの穴)の位置が眼球の最前部(視線の軸の上)に表現されています。でも自然な瞳を斜めから見た場合は瞳孔の位置は角膜最前部ではなく、観察者側に近づいて見えるのです(上の写真参照)。
つまり斜め横から見たときに瞳の深さがより感じられ、カラコンと自然な瞳との大きな差がでるのですね。
実はカラコンをしている人は気づきにくい現象かもしれません。鏡で正対して真正面をみることしかできないから。
カラコンをすることで大きな瞳を得る一方、奥ゆかしさを失っているかもしれません。