プロに任せるということ
二重(ふたえ)手術の場面。
「一時的な吊り上げ処置は食い込みの原因になるからやりたくない」
と言われました。
すると外科医はおそらく無意識のうちに眼輪筋切除やアンカリングの固定を強くしてしまうもの。(外科医は複数の手技を動員してひとつひとつの手技特有のリスクを最小化する努力をしています。だから手段をひとつ失うとその他の手技のリスクが大きくなるわけ)
だから単一の手技のリスクを回避しようとしてそれを拒んでも、他の技によるリスク(ハム目やくいこみなど)が顕在化します。つまり各々細かい手術手技はおしなべて意味があります。
手術手技は壁紙の色を選ぶオプションとは違います。機能にかかわるのです。
例えればリフォームの設計のようなもの。「壁をなくしたい」と言ったら耐震性を犠牲にします。それに替わる柱の設計が必要になるわけ。(もし顧客の言うママに設計してしてしまい、耐震性を補完するデザインをしないとどうなるでしょう?顧客にとっては表面的には良い設計士ですが実際のところは顧客利益を毀損した設計士といっていいでしょう。)
つまり外科医は何か手段を失うとそれをカバーする手段を用います。それが顧客にとって期待しない結果をもたらすこともあるのです。
だから特定の手術手技(設計)を指定したり(あるいは拒否したり)することは得策でないことも。結果イメージを伝え、それに合わせてプロが手術手技(設計)をアレンジしていくという姿が望ましいです。
希望を伝えることは良いこと。ですがある程度は担当医に任せたほうが不幸のカードを引く確率は下がります。主治医とよい信頼関係を築いてくださいね。
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