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スマホが命を救う?AEDの電力源としての可能性

目の前に意識を失って仰向けに倒れている人がいる。首の脈も触れない。

AEDを胸に貼り付けて電気ショック⚡️(ず〜ん)。

これで助かる人が一定数います。街中でも見かけるようになってきましたね。オレンジのケースが壁に埋め込まれるように備え付けられています。

1秒でも早く除細動(電気ショック)をかけることで、救命の確率がぐんと上がります。その発想から兎にも角にもそれこそ目に見える距離にAEDがあることが望ましいとされています。なんなら一家に一台あっても。マラソン大会では救護グループがAEDを背負って自転車でコースを徘徊します。

そこで思ったのです。
スマホで電気ショックできないかと。原理的に可能なのかな?と

スマホならほぼすべての人が身につけているくらいの距離ですからね。

思考します。

除細動に必要なエネルギー量は160〜300ジュール。一方スマホは36000〜72000ジュール。理論的には必要なエネルギー量はあるようです。

へええ。

でも課題がありました。電圧が足りません。

スマホは3.7ボルト程度。AEDは1000〜2000ボルト(一瞬だけど)が必要です。

そうでした。ドン!と一瞬で電気が流れる必要があるんです。

水流に例えると、落差が必要なのです。4センチの落差と2000センチ(20メートル)の落差の違い。

だから昇圧装置が必要。水を高い位置へ運ぶ回路、昇圧回路です。

※ちなみにAEDも昇圧回路を使用している。だから連続使用するにも(昇圧のための)充電時間(8〜10秒)が必要。コンデンサ充電時間を"capacitor charging time"と呼ぶ。

身近なところではカメラのフラッシュ。一度発光するとしばらく蓄える時間(キュイーンと鳴ります)が必要ですよね。1.5Vの乾電池を複数使用しつつ、200〜300Vまで上げます。

この昇圧回路が必要。およそ1000倍くらいに昇圧すれば除細動ができます。

というわけで理論上は不可能ではないことがわかりました。

あと必要なのは電極かあ。スタンガンくらいの装置で可能になるといいかもね。

誰か映画化してくださいませ😅

注)あくまで思考実験です。現実には安全面(熱傷、施工者の感電など)でもハードルは多くあります。



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形成外科医 金沢雄一郎
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