パーキンソン病診療ガイドライン

パーキンソン病は認定内科医で勉強して以来ご無沙汰ですよ。
まずはガイドラインの確認から。

診療ガイドライン


疫学 300-1000人に1人くらい
リスク 便秘 気分障害 殺虫剤への曝露 頭部外傷の既往
主症状 無動 振戦 強剛 姿勢保持困難 前傾姿勢 すくみ減少

重症度 
Hoehn-Yahr(ホーン・ヤール)分類
Ⅰ度 軽度
Ⅱ度 日常生活や仕事がやや不便
Ⅲ度 小刻み歩行 すくみ足 介助なしで生活できる
Ⅳ度 日常生活のほとんどに介助が必要
Ⅴ度 車椅子が必要 寝たきり

生活機能障害度分類
Ⅰ度 通院にほとんど介助がいらない
Ⅱ度 通院に部分的な介助が必要
Ⅲ度 それ以上

症状には左右差あり
以下の非運動性症状もあり

パーキンソン病診療ガイドライン2018より

僕が訪問でいっている患者さんは流涎(りゅうぜん)と嚥下障害が出てき初めており、内服もできなくなってきたって、お嫁さんが言ってたな。

薬物療法

  1. L-ドパ 
    初期・進行期に有効  運動症状改善には最も有効 進行抑制効果はなし
    末梢性ドパ脱炭素酵素阻害薬(DCI)配合剤:L-ドパ必要量が80%減少 消化器系副作用の減少 ジスキネジアの増加

  2. ドパミンアゴニスト
    ブロモクリプチン ペルゴリド ロチゴチン(ニュープロパッチ)

  3. モノアミン酸化酵素B(MAOB)阻害薬
    セレギリン(本邦では唯一使用可能) ラサギリン(セレギリンの5-10倍)

  4. カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害薬
    L-ドパ+DCI配合剤と併用可能→エンタカポン配合

  5. アマンタジン
    ジスキネジアに対する効果あり

  6. 抗コリン薬
    ビペリデンは使用可能

  7. ドロキシドパ
    すくみ足、無動の改善

  8. ゾニサミド
    L-ドパ併用時に使用可能

  9. イストラデフィリン
    世界初の新規作用機序

この患者さんはDCI配合錠を8錠/4×で内服している。嚥下機能が落ちてきたので薬の量やタイミングを減らしたい事がご家族の希望。
COMT阻害薬を併用すればレボドパの半減期が長くなり、内服のタイミングは減らせるのではないか。


リハビリテーション

運動療法 作業療法 嚥下訓練 音楽療法

公的制度

重症度3以上は難病医療費助成制度の対象となる

パーキンソン病診療ガイドライン2018より

嚥下機能の改善を目指すのであれば嚥下リハも必要になってくるのか。消化管蠕動改善薬を追加するなんて本末転倒だしな。
ご家族と相談して内服の変更とリハビリを提案してみよう。

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