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5月22日 マンゴーの種が板
満を持して、マンゴーの切開式を行なった。
ずっとやわやわになるのを待っていたが、皮に黒い斑点が出てきたので、今だ! と決意したのだった。
バナナの表面にこれが出たら柔らかいもんね。
果たして、ちょうど好みの柔らかさであった。
大成功〜とさくさく切った。
考えてみると、自分でマンゴーを切るのは初めてかもしれない。
勝手なイメージで、中身はアボカド方式になっていると思いこんでいた。
周りにぐるりと切り込みを入れてぐいと回したら、なんと種が板状であった。
マンゴーの種は、板だ。
いいの? 丸くなくて。
地面に落ちた時のお好みの着地向きがあるのだろうか。
ころころと転がって、なんというか、子孫を広範囲に広げたいみたいな、そんな野望はないのだろうか。
気持ちを落ち着け、ずっとやりたかった例の格子柄切り込みを入れた。
ぱっくりときれいに裏返せて満足。
食べるとこっくり柔らかく甘い。
というか甘すぎる。
これはほぼマンゴープリン味である。
さくらんぼとかぶどうとか、他のフルーツたちは酸味とのバランスを取ろうとしているが、タイからやってきたこの果物は甘さに振りきっており、潔い。
また買おう。
夫は今日も動画を編集している。
このモードに入ると、一切の飲食もせず何時間も集中してしまうのだった。
集中力の続かない人間としては尊敬すべきところだが、これほどまで日常生活を蔑ろにして取り組むのはどうなのか。
何が彼にそこまでさせるのだろう。
心配になって部屋をのぞくと、サウナポンチョとサウナハットを着てPCに向かっていた。
怖い。
どんな精神状態なのだ。
以前ならここで、休憩してはどうかなどと声をかけていたところだが、こちらのアドバイスはどうせ聞かないということがわかった近年は、放置の一択である。
サウナスタイルのYouTuberをほっといたまま、残りのマンゴーを平らげた。
夜になり、ツレヅレハナコレシピのオイル茹で鶏で晩酌し終わった頃に、ようやく夫が部屋から出てきた。
ずっと閉じこもっていた部屋からサウナポンチョをふんわりさせて出てきた夫を見て、岩戸から出てきた天照大神ってこんな感じかな、と思う。